日本エネルギー会議

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福島の復興を考える(37)

ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)とは、農業を続けながら太陽光発電を行うことだ。耕作地の上に藤棚の様に架台を設置。そのうえに細幅のソーラーパネルを並べ、作物とパネルで光を分け合う。これによりパネルから電気を、土地からは作物を創り出し一石二鳥となる。電気は販売することも、自家消費として使用することも可能で、農業の収益性を高める仕組みとして注目されている。日本人の長島 彬氏が発明し、特許は2005年に公開し、誰でも無償で使える。

作物にはある程度の太陽光が必要だが、強すぎる直射光は動物にも植物にも有害で、適切な明るさの光以外は光合成に使えない。農地や牧場などにソーラーパネルを設置し、太陽光を作物と分け合えるようにすれば、太陽光発電の根本的な欠点である「大面積が必要」という問題を解決して日本のエネルギー問題が解消できると長島氏は考えた。農家の夏の作業は大変だが、ソーラーパネルの影で緩和されるという副次効果がある。すでに全国に広がっており実施例は1000件を超えているが、パネル下で栽培している作物としては、米、野菜(ネギ・かぼちゃ・さつまいも・大豆など)に加えて、しいたけ、ブルーベリー、茶など。ソーラーシェアリングは、適地が少なくなり地域住民から自然破壊だと反対されるメガソーラーに代わるものと思われる。

農業従事者や減少している中、農業法人は増加傾向にある。昨今は若者が農業を仕事にしようという意欲も感じられる。ビジネスとしての農業はハウス栽培、水耕栽培など管理上電力を使うので、電力の供給源としてもソーラーシェアリングが役立つ。なによりも副収入で農業経営が安定する。

ソーラーシェアリングに関しては農林水産省も前向きで、農地の一時転用期間が従来3年づつの更新であったが、昨年5月にこれを10年に延長した。また、支柱部分だけの農地転用にして固定資産税が急増しないようにした。
環境省も環境基本計画で「営農型太陽光発電の推進」を明記。従来、国は基本的にソーラーシェアリングに対して補助金は交付していなかったが、農林水産省との連携事業としてソーラーシェアリングに関する補助金制度を2018年度から設けた。

現在、福島第一原発事故で避難区域となった市町村ではメガソーラーが全国的に見てもかなりのハイペースでかつて農地だったところに建設されており、首都圏につながる原発用だった送電線へつなぐための送電線建設も行われている。このままでは土地の利用について農業とバランスの取れたものとはならないし、景観上も問題がある。残念ながらソーラーシェアリングに関して福島県は千葉県、茨城県など他県に遅れをとっている。福島県や県内各市町村は独自の補助金制度を設けるなど、積極的にソーラーシェアリングを展開するべきである。

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