日本エネルギー会議

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福島の復興を考える(39)

我が国の二酸化炭素排出量のうち、運輸部門からの年間の排出量は17.9パーセントを占めている。(2017年度実績)ほとんどが旅客自動車と貨物自動車からの排出だ。排出量抑制の鍵はガソリン車、ディーゼル車から電気自動車、水素自動車への移行だが、電気自動車に関して日本の自動車メーカーはニッサンが電気自動車リーフを発売している以外、他社の動きは鈍い。特に電動のバスは本格化しておらず、この分野ではヨーロッパや中国がリードしている。
福島県では電動バスの導入が2例ある。ひとつは、会津バスで観光シーズンの尾瀬国立公園へのシャトルバスだ。今年1月に中国BYD社製の電気バス(1台6500万円)を導入。今月から運行が始まり、クリーンさをアッピールしている。また、シーズンオフは会津若松市内の路線バスとして運行されるが、これには国の補助制度を使っている。

もう一つは、東京電力が廃炉工事中の福島第一原発構内でフランスのNAVYA社製の電動マイクロバス(20人乗り)3台を作業員の移動用に運行している。さらにソフトバンクがこれを自動運転にする予定だ。

福島県が復興事業の目玉として国の支援の下に進める「福島イノベーションコースト構想」の一つである再生可能エネルギーによる水素製造工場が、現在、浪江町に建設中で、生産した水素をタンクローリーで東京に運搬し東京オリンピック・パラリンピックの会場で使う水素バスの燃料として供給する計画がある。県内でもこの水素で車を走らせることになっているが、蓄電池産業の盛んないわき市では、ガソリンスタンドを経営する企業が、先ごろ既設のガソリンスタンドに国内初となる民間の水素スタンドを併設した。いわき市では金融機関などの民間企業が所有する水素自動車ミライ30台がそのスタンドで水素の供給を受けている。これだけの台数の水素自動車が実用化されているのは全国でも珍しい。


浪江町の再生可能エネルギーによる水素製造工場の完成予想図

今後は県内の充電スタンドや水素スタンドを増やすとともに、県や市町村の公用車、民間の路線バス、観光バス、スクールバス、介護施設の車も電気自動車や水素自動車に切り替えていくことで福島県がエネルギー部門だけでなく、運輸部門でも日本における温暖化対策の先導的役割を果たすようにしたいものだ。

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