日本エネルギー会議

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増大する消費者の役割

食品ロスが問題となっていることから、コンビニ業界が解決策として期限切れ間近の商品を買うとポイントが還元される方法を試すことになった。消費者は概ね歓迎だが、営業時間短縮に向かっているコンビニ側も売れ残りが減って売上高が維持出来るメリットがある。スーパーなどでは期限切れが近い食品が「訳あり品」として格安で売られることはよくあったが、コンビニ業界でも定価販売の原則を見直し、期限切れが迫った商品を安く買うかどうかを消費者の判断に委ねようとしている。

電力業界でも、従来の大口需要家に対して節電要請をすることで割引をする制度に加え、個人の消費者にも働きかける試みが行われている。中部電力は夏場の電力需要の削減に向け、参加型デマンドレスポンスサービスとして「ソトエネ」と名づけた家庭向けのサービスを2年前から始めている。電力需要が高まる時期や時間帯に自宅から外出し、中部電力と提携する中部エリアの店舗や自治体の施設に訪れた顧客に対してポイントどをプレゼントするしくみで、ポイントは電気料金の支払い、商品券、提携先ポイント、寄付などに充てることができる。

これと似ているのが、尼崎市が民間業者と組んで、地域経済活性化と電力削減の両立を目指す試みだ。夏季(7月~9月)と冬季(12月~2月)に電力使用がピークを迎える時間帯に市民に節電要請を行い、エアコンを切って市内の加盟店に出かけて買い物をした人には、通常時の2倍のポイントを付与する。

電気を売って商売するはずの電力会社がしきりに節電を勧めるのは意外な感じがするが、原発が停止している現在、需要ピーク時に対応するための設備投資や火力発電所の焚き増しより経済的なのだろう。ずっと以前にアメリカのある電力会社は設備の増設をする代わりに需要家の家庭に対して古い冷蔵庫を無償で新型の省エネタイプのものに交換したという話を聞いたことがある。需要増加に対して新たな発電設備への投資より需要抑制した方が経済的だということらしい。

関西電力に取り込まれたと報じられている新電力のLooopは太陽光の発電量が多い時間帯に電気を使う家事を集中させた家庭に特典を出すサービスを始めた。天候や時間帯によって発電量が大きく変わる再生可能エネルギーの有効活用を狙っている。また、電力消費が増える冬季には節電を促すキャンペーン「真冬の節電大作戦2019」を行なう計画で、契約者は節電量に応じて、「Amazon」のギフト券が貰える。

ネット社会やAIが発達することで、これからは社会全体で最も効率的な生産と消費の形態が追及されるだろう。生産活動を行う消費者をプロシューマー(producerとconsumerを兼ねた生産消費者)と名づけたのは、アルビン・トフラーであるが、生産をせずに消費するだけの人でも、その消費の仕方によって経済活動に新たなかたちで参画する時代が来ようとしている。

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