日本エネルギー会議

  • 設立趣旨
  • お問合せ

異常気象と電源

先週は5月というのに全国を異常な高温が襲った。大陸からの暑い空気の塊が日本列島の上空を覆ったためだ。昨年は世界各地で異常気象による大きな自然災害が起きたが、今年もその傾向は続くと思われる。トランプ大統領とて自国での大きな災害が続けばパリ協定からの離脱を悔いる日が来るかもしれない。

昔から日本では大きな台風が来れば停電はつきものだったが、これは主に住宅への低圧の送電網の問題だった。だが、最近のような観測史上初めての記録となるような集中豪雨や強い風があると、電源や高圧の送電線が被害に遭うことで大停電が起きる可能性が高まっている。また、原子力規制委員会が関西電力の原発に対する大山の噴火影響の規模を過去に京都市に降った火山灰の厚さが30センチだったことを受けて対策を見直すよう指示したが、東北や九州など全国の火山の活動も気になるところだ。

原発は過酷事故対策が進んだこともあって、自然災害対策が検討され、四国電力伊方原発では地震、津波、火山灰以外にも竜巻による飛来物が海水ポンプを直撃しないよう鋼鉄製の天井カバーをつけるなどかなり厳重な対策が取られている。

エネルギー基本計画で2050年に向けて再生可能エネルギーを主力電源にする方針が示されたが、異常気象に対して太陽光発電や風力発電がいかにも脆弱そうなのが気になる。あまり報道されないが昨年来の台風や豪雨で太陽光発電設備には相当の被害が出ている。現在はシェアが数パーセントであるが、今後主力電源ともなれば深刻な問題となろう。台風の強さは年々大きくなっており、風力発電も今までの設計強度を見直すことになりはしないか。ただ、再生可能エネルギーの多くは小出力分散型であるため、全体としては被害も部分的になる。

砂漠に設置されたメガソーラーは砂をかぶる被害はそれほどでもないと聞くが、火山の噴火に伴う火山灰では太陽光発電や風力発電は致命的な損害を受ける可能性がある。インドネシアの火山の大爆発で長期間上空が塵に覆われ、地上に太陽光が届かなくなればメガソーラーは無用の長物となる。一方、海水の異常な高温が続けば、火力発電や原発は冷却不足で出力の低下や発電できなくなる。

いずれにしてもエネルギー基本計画は、それぞれの電源に異常気象対策が取られて大停電が起きないようになっていることが前提となる。

  • データベース室
  • エネルギーとは?
  • 世界と日本のエネルギー
  • 原子力の論点
  • 放射線と健康
Facebook Twitter