日本エネルギー会議

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令和時代の「夢のエネルギー」

「夢のエネルギー」と言えば昭和時代は高速増殖炉を中心とした核燃料サイクル、平成時代は核融合と日本近海のメタンハイドレートであった。しかし、いずれも令和時代に実現するとは思われない状況だ。これらに代わって令和時代の

「夢のエネルギー」として登場しそうなのが新水素エネルギーだ。
新水素エネルギーとはCold Fusionと呼ばれ1989年にユタ大学の研究者が発表し世界的に脚光を浴びた「常温核融合」だ。当時は各国が追試を行ったが再現性に乏しくそのうち下火となった。ところが報道によれば、研究者らは地道に研究を続けて徐々に現象の再現性が高まり、10年前からアメリカ、イタリア、イスラエルなどにエネルギー利用を目的としたベンチャー企業が次々と生まれ、グーグルなど大手企業も参入しているという。

反応としては、微小な金属粒子に水素を吸蔵させ一定の条件下で刺激を加えると投入熱量を上回るエネルギーを放出する。通常の燃焼反応(化学反応)と比べて水素1グラムあたり数桁以上の大きな放熱量の報告が相次いでいる。何らかの核変換(元素転換)が起きていると推察され、実用化されると再生可能エネルギーを使って水電解で製造した水素を燃料に、二酸化炭素を排出せずに効率的に電力を生産できる可能性がある。

日本ではNEDOのエネルギー・環境新技術先導プログラムで2015年から基礎技術に対する実証が行われ、民間ではベンチャー企業であるクリーンプラネット社が4年前から東北大学電子光理学研究センター内の拠点で「新水素エネルギー」の実用化を目指して研究開発を続けている。

同社はコストの安いニッケルと銅、軽水素を主体とした反応系での実用化を目指しており、数年以内に熱電素子と組み合わせた100ワットの発電モジュールや既存の蒸気ボイラーを前提とした発熱デバイスなどのデモ機を完成させ、その後、安価でコンパクトなシステムとして国内外のエネルギーインフラとの連携を目指している。最近、同社に対し三菱地所やボイラーメーカーの三浦工業が出資を決めたとの報道もある。

まったく革新的な技術であるが、長所ばかりではなく短所もあるはずだ。令和時代は始まったばかり。「新水素エネルギー」が夢に終わらず令和時代のうちにものになるよう期待したい。

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