日本エネルギー会議

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組織内で個人が抵抗するには

組織内で個人が問題に気づいたときどのようにすればよいのだろうか。問題というのは、例えば組織のやっていることが法や基準に違反、抵触している場合、放置すれば危険が職場の仲間や住民にも及ぶと気づいた場合、社会的なモラルに反していると感じた場合、会社に莫大な損害を与えかねない状況と思われた場合などである。

具体的な例として、福島第一原発で電気室が地下にあり水没の危険性があることに現場で気づいた配属直後の保修課員。(先輩課員は「それはタブー」と答えたらしい)九州電力の住民説明会に関係取引先に動員をかけることを指示された地域対応担当の社員。二つとも結果的に大きな問題となった。彼らはどのように抵抗するべきだったのか。

当然、上司に進言することになるが、上司は貴重な情報として自らも動いてくれる場合があるかもしれないが、ほとんどの場合、既に気づいていることが多い。上位職になればなるほど多くの情報を持ち、さまざまなことに配慮しながら物事を決めている。下位職は視野が狭く、少ない情報しか持ち得ない。上位職はそのことを説明して進言した者に対して、もっとも親切な場合でも「こうした理由でそれは出来ない」と答えるであろう。ある時は「余計なことを考えなくて良い」と言うかもしれない。それでも主張をし続ければ、上司は危険を感じて担当を外すか人事異動の対象とする。

組織内という条件では個人で抵抗することに限界がある。組織そのものが組織防衛のためにさまざまな対策を取っていて、しばしばやり過ぎて大事な情報を無視してしまうほどである。外部に接触されないように本人を定年まで抱え込むことすらする。労働組合も「経営パートナー」として組織防衛の一端を担っている面もある。では、どうしたらよいのかについていくつかの考えを紹介したい。
・正しい意見、直ちに対応が必要な指摘であることを立証するための努力を続ける。無視、隠蔽などした場合のマイナスについて(影響の大きさ、外部からの非難予想など)粘り強く説得する。 
・一人で抱え込んで悩まず、理解者、同調者を増やす。地位や部門にかかわらず信頼できる人、尊敬する人に話をする。中間管理職よりさらに上の方が良い場合がある。上司との関係はこじれる可能性があるが割り切る。できれば個人的に。オープンの場でやると上司の立場がなくなる。
・バイパスルートを試みる。労働組合に言う。目安箱や投書箱をつかう。社長など役員との直接対話などの機会を狙う。
・自分が決定権者になって実施すると頑張っても、上位職になるといろいろなしがらみで出来ないことがわかる。その頃は手遅れか既に出せない状況になっていることが多い。したがって気づいた時点で声を上げた方がよい。

個人が組織に抵抗するのは実に困難なことであり、組織の方でこれらの意見を掬い取るしくみがあることが望ましいが、佛作って魂入れずの例も多く見受ける。組織側の課題についての考えは別の機会にしたい。

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