日本エネルギー会議

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福島の復興を考える(40)

東京電力が県民の要望に応え福島第二原発廃炉の方針を打ち出し、福島県から原発がなくなる予定だが、首都圏に対する電力供給源としての火力発電所は健在だ。10万キロワット以上の火力発電所は5ヶ所、トータル1020万キロワットで、福島第一原発、第二原発の総出力910万キロワットを凌ぐ。すべて浜通りと呼ばれる県の東部にあり太平洋に面している。燃料はすべて石炭。主な所有者は東京電力、東北電力だ。(一覧参照)

東日本大震災では津波の大きな被害を被って停止したが素早く立ち直り、早いもので2011年6月、遅いものでも2013年4月には運転再開を成し遂げた。このことはもっと知られてよい。

しかし、ここに来て温暖化防止の観点から石炭火力には強い逆風が吹いている。国内の大きな金融機関も石炭火力には融資をしない方針を決めた。このままでは浜通りの火力発電所は将来、停止や廃止に追い込まれる可能性がある。
そこで注目したいのが、火力発電所で排出する二酸化炭素の利用という温暖化ガスの排出抑制と新たな価値を生み出す一石二鳥の技術だ。ユーグレナというユニークな企業がユーグレナ(ミドリムシのこと)を池で培養し光合成でバイオ燃料用・飼料を生産する事業をしていることはかなり知られているが、そのユーグレナが火力発電所から排出される排ガスや排熱などを利用したユーグレナの海外での培養実証事業を伊藤忠と組んで行うと今月発表した。

今回の実証実験では、ミドリムシの培養に適した海外候補地で火力発電所に隣接して培養設備を設置し、発電所から排出される二酸化炭素や排熱を活用してミドリムシの培養を実証する。試験規模での培養から開始し、実証成果に応じて規模を段階的に拡大。バイオ燃料用や飼料生産の商業化に向けたフィージビリティ・スタディをする。最初の培養実証は生産コストや培養環境の観点からインドネシアを選定し、その他の候補国も今後継続して検討する。
福島県や東京電力、東北電力は日照条件の良い浜通りの火力発電所にユーグレナ培養の実証事業をぜひとも誘致するべきだ。

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