日本エネルギー会議

  • 設立趣旨
  • お問合せ

先鋭化する温暖化懸念(5)

日本各地で豪雨による崖崩れで家が潰されたり、流されたりした人が続出しているが、家の再建が出来ずにいつまでも仮設住宅にいる、あるいは再度の被災を心配しながら半壊の家にとどまる人がいる。
先祖伝来の土地を離れたくないという気持ちもあるが、高齢者の場合は移住しようにも家を買い換えるだけの力がないケースが多い。家を失った場合、国の支援は被害者生活支援法に基づいた救済措置が執られるが、支給金額には上限があり、全壊の場合でも300万円までしか支払われない。

東日本大震災では津波で流された海岸近くの家は、国からの救済措置が法律通り300万円であったのに対して、原発事故で避難した世帯は新築費用のほぼ全額が東電から支払われ、しかも元の家はそのまま使える状態で残された。津波が原発事故の前に来てしまったことから、東電は津波被害の家は賠償の対象としていない。(土地については対象とした)

年金生活では借金も無理、虎の子の貯金があったとしてもそれを使ってしまえば先々の生活が心配になる。ヒートアイランドになる都会では、熱波の時期にエアコンを利用できるかは生死にかかわる問題だ。近年、都会のアパートで暑い室内にとどまって亡くなるひとり暮らしの高齢者がいる。生活苦の中、電気代を節約しようとする人も多いのだ。

砂漠の国サウジアラビアでは、なんと電力の70%がエアコンによって消費されているという。近い将来、地球上の多くの場所がサウジアラビアに似た状況になるかもしれない。インドでは熱波に襲われると多くの死者が出るのは貧困のためだ。温暖化による異常気象は地球上の誰に対しても均等に降りかかってくるが、それから命を守れるかはその人の経済力次第のようだ。

温暖化による異常気象は、人々の生活にプラスになることはほとんどなく、マイナスの影響が多い。まず干ばつによる農作物、牧畜などへの影響、普段から水に恵まれない地域では人々はその土地を離れざるを得ない。これから人口爆発の発火点になるとされているアフリカなど途上国が深刻な水不足、食糧不足になる可能性が高く、人口爆発が抑制されることも考えられる。

今は政治的混乱による紛争から逃れて難民がアメリカやヨーロッパに押し寄せているが、これからは温暖化の影響による干ばつや大洪水、山火事、そして海面下に沈む国土から命を守るため難民となる人々が現れる。いままで世界の人口は都市に集まる傾向が続いていたが、温暖化が進めばその動きに変化が現れるはずだ。日本でも東京など大都市が一度大洪水などに遭えば、多くの住民が地方への移転を考え実行に移すだろう。

東日本大震災のような大災害が起きると世界中から支援の手が差し伸べられるが、温暖化による異常気象の被害が次々と世界各地で起きるようになれば、その被害は恒常化し、どの国も他国の支援をしている余裕はなくなる。そうなると自国の被害は自国で対応しなくてはならなくなり、国内の各地域同士も同じようなことになりそうだ。   

  • データベース室
  • エネルギーとは?
  • 世界と日本のエネルギー
  • 原子力の論点
  • 放射線と健康
Facebook Twitter