日本エネルギー会議

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先鋭化する温暖化懸念(6)

トランプ大統領のような「温暖化はデマ」と言う人は別として、温暖化が進むとその先どうなるかについては異なる二つの主張がある。このまま温暖化が加速的に進行し、ついには地球上が高温になり生物が生存出来なくなると主張する論者。かのホーキング博士は「火の玉になる」との予言をしている。他方は人類が努力すれば二酸化炭素などの温暖化ガスが抑制される、あるいは温暖化したことにより、温暖化がこれ以上進まないような自然の復元作用が起きて温暖化が徐々に収まると主張する論者だ。

前者については温暖化によって引き起こされた氷の溶解、解き放たれたシベリアの凍土の下にあるメタン、干ばつや山火事により枯れてしまった植生などの吸収力減少、海流の変化による深層水の温度上昇などが起きるとし、「もう戻れないところで近づいているではないか」と心配をしている。今年3月にはニューズウィークが「温室効果ガスを吸収して保持する、植物と土壌の『貯蔵機能』がもうすぐ限界に」と題する記事を掲載し、「これは大変なことだ」との学者の意見を載せている。

後者については、もともと温暖化など過去の地球の歴史にいくらでもあったのであり、温暖化しても、太陽光が強くなり植生が繁茂することによる二酸化炭素の吸収増加、砂漠化で砂嵐が増加することで地上に届く太陽光が減少、大雨による大気と大地の冷却促進、海面上昇や洪水による地表の減少、雲や霧の発生による太陽光の減少、火山の大爆発による粉塵の増加による長期間かつ広範囲の地上における太陽光の減少、嵐による波で海の二酸化炭素吸収効果が増加、沿岸や河口の都市が台風、高潮などの被害を出すことによる人口減、生産活動減により人工的な二酸化炭素排出が抑制されるなどにより温暖化は次第に収まるとする。人類が自然の一部と考えれば、省エネ、石炭火力の禁止、植樹など人為的な温暖化対策も復元作用のひとつだ。

しかし、我々がやるべきことは延々とこうした議論をすることだろうか。学者たちはさまざまなデータを解析したり、理論を組立て実証したりして真実に迫っていくだろうが、温暖化の原因や方向性についての論争に片がつくまでには相当の年月がかかる。その間にも温暖化はどんどん進み、異常気象の頻発によって世界中に多数の犠牲者が出ることだろう。そのうちに、議論している双方の論者も犠牲になってしまう。イソップ物語に出てきそうな話だ。
(つづく)

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