日本エネルギー会議

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先鋭化する温暖化懸念(8)

今年もヨーロッパの暑さは異常だ。アルプスの西側の各国では軒並み40度を超す地点が現れた。
報道によれば、6月末の熱波ではフランス南部では観測史上最高の摂氏46度を記録した。南部のガロンヌ川岸にあるゴルフェシュ原発(130万キロワット×2基)は排水の温度上昇が川の生態系に悪影響を与えるとして一時停止を余儀なくされた。写真を見ると大きなクーリングタワーがある原発だが、外気の温度が上昇すれば冷却力も弱くなり、出力にも影響すると考えられる。

昨年は日本各地で40度超えが何箇所も記録されたが、今年はすでに7月22~28日の1週間に全国で5664人が熱中症で救急搬送され、このうち11人が死亡した。こうした状況がこれからも続き、年々最高気温が上昇するようであれば、ますます多くの人命が奪わる。

人間など恒温動物は36~37度に体温を保つようになっていて、体温が40度をこすようなことが長時間続くと生命維持は困難になる。体温が42度を超えると、身体のタンパク質が熱のため「ゆで卵」のように固まってしまい元に戻らなくなる。42度は体温の話なので、外気温によって限界を予測することは出来ない。外気温は50~60度になることがあるが、発汗作用などで体温を下げることができるうちは大丈夫だ。日本は湿度が高いので、砂漠など湿度の低いところより調整は難しい。   

高温の炎天下にいると、大量の汗で体の水分や塩分が失われ、体温調節がうまくできなくなり熱中症になる。子供は全身に占める水分の割合が大人より高いため外気温の影響を受けやすく、気温が体表温度より高くなると熱を逃がすことができず、反対に周りの熱を吸収してしまう。肥満の人は皮下脂肪が多いので、体内の熱が外に逃れにくく熱中症になりやすい。

五輪中の暑さ対策としてやっているのは携帯式のファン、頭に付ける傘、冷却装置付きのベスト、街頭でのミスト噴出などで、対処療法ばかり。都が主催して浴衣で打ち水などをやらせているのを見ると、戦時中の竹槍訓練を連想する。エアコンをフル稼働するには大量の電力が必要になるが、その電力を火力発電所で作って盛んに温暖化ガスを出しているなど洒落にもならない。
生産活動の低下はおろか生命の危険も迫っているというのに、ヨーロッパのように温暖化防止への機運が盛り上がらないのはどういうことなのだろう。

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