日本エネルギー会議

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先鋭化する温暖化懸念(9)

随筆家の草分け、吉田兼好法師が「徒然草」の第五十五段で、「家の作りやうは、夏をむねとすべし。冬は、いかなる所にも住まる。暑き比わろき住居は、堪え難き事なり。」と書いた。現代口語になおすと「家を建てるときは、夏の暑さ対策をしっかりすること。冬の寒さはどうでもなるが、暑すぎる家は、たまらない。」となる。

寒さに対しては家を囲うか、暖かい衣類を着るか、何かを燃やして暖を取れば過ごせたが、暑さは現代人でも対応困難、意外にも人は高温に耐えられない。40度を超せば命の危険が迫ってくる。日本では高齢者が熱中症で亡くなる事例が多くなっているが、高齢者は冷気が苦手なことと年金暮らしで節約志向が強いのでエアコンの使用をためらうようだ。日本ではヨーロッパと違いエアコン、しかも除湿付き、自動掃除などの高級機が普及している。少ないのは北海道、長野などだが、これも全国的な連日の猛暑でこれからは普及しそうだ。

先月下旬の電気新聞に「熱中症割引、今夏は1500円/オール電化も対象」と題する記事があった。その内容は、九州電力が「熱中症予防プラン」で昨年同様、75歳以上の高齢者がいる家庭の夏の電気料金を割り引くというもの。昨年は8、9月分の電気料金を10%割り引いたが、今年は9月の電気料金から1世帯につき1500円の定額割引を実施する。九州電力はなかなか粋なことをする。

東北電力で似たようなプランがあるかを営業窓口に聞いたがないようだった。「よりそうサマーセーブ」というプランがあると教えてくれたので調べると、需要のピークである13時から16時の3時間に需要家が使用をセーブすることで、トータルの支払いが割引になるというプランだった。東北電力の「よりそう」とは、電力会社が需要家によりそうのではなく、需要家が東北電力にピークが立たないように協力してあげるという意味だった。

いままで暑くなかった欧州ではエアコン普及率は数パーセント。これから普及すると電力不足になる。すると火力が動きさらに温暖化ガスを出すことになり悪循環が始まる。都市部ではエアコンの排熱でヒートアイランド現象がさらに加速する。日本でも北海道などで同じことが起こりそうだ。温暖化は暑さだけでなく、冬の大雪や季節はずれの寒さももたらす。そこでもエアコンが大いに使われるだろう。

温暖化対応は結局、エネルギー問題になる。冷房、暖房、省エネなど、何をやるにもエネルギーなかでも電気エネルギーが必要だ。自動車の排気ガス中の二酸化炭素を減らすためにはEV化だが、これにも電気が必要。発電のために二酸化炭素を出さないようにしようとすると、火力発電に代わるものが必要で、ここでようやく再生可能エネルギー(主に太陽光発電、風力発電、水力発電)と原子力発電の重要性が一般の人に認識されることになりそうだ。

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