日本エネルギー会議

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福島の復興を考える(47)

日本の温泉地は一軒宿も含めると約3000ヶ所もある。都道府県別で1位は北海道。福島県は5位で124ヶ所もある。会津の芦の牧温泉、中通りの飯坂温泉や磐梯熱海温泉、浜通りにはいわき市に湯本温泉が有名。湯本温泉は常磐ハワイアンセンターで知名度があるが、もともと古くからの温泉で有馬、道後、白浜とならぶ古湯だ。

日本には世界有数の地熱発電のポテンシャルがあるが温泉との競合や国立公園の問題で開発が進まないとされている。しかし、福島県の土湯温泉ではバイナリー方式の地熱発電所があり温泉との共存が行われている。出力400KWのバイナリー発電は温泉蒸気で直接タービンを回すのではなく、沸点の低い代替フロンなどを温泉で加熱・蒸発させてタービンを回す方式で温泉枯渇の問題は起きない。各地で採用例が出てきているが、土湯ではこれに早くから目をつけ今では地元に利益を還元し、ついでに排熱を利用して山奥でオニテナガエビの養殖までおこなっており見学者が絶えない。

バイナリー発電とは別にベンチャー企業と京都大学により、さらに新しい方式が3年前に日本で開発された。地下から温泉水をくみ上げるのではなく、地下1500メートルまで二重管を打ち込み、地上から加圧して送り込んだ水を地中熱で温めて、液体のまま高温状態で地上に戻し減圧して一気に蒸気化しタービンを回す世界発のシステムを成功させた。温泉水を使わないために温泉との競合はなく、温泉水に含まれる鉱物による配管腐食などの心配もない。現在大分県で実証試験を24kWの出力で行っているが、2025年までに3万kWにまで拡大する計画だ。

こうした有望な地熱発電方式を福島県内の温泉地に積極的に導入して、土湯のような温泉と両立する地熱発電による地域興しに活用すべきである。

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