日本エネルギー会議

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福島の復興を考える(46)

福島第一原発のある浜通りにはJR常磐線が通っており、避難区域解除にあわせ開通に向けての復旧工事が行われている。すでに不通区間は浪江町と富岡町間の20キロを残すのみとなり、来年3月には東京仙台間(343.7キロ)が完全に開通する見込みで東京仙台間の特急も復活する。今もそうだが、浜通りの各駅には駅待ちの地元タクシーが並んでいるのが常で、電車が到着すると一斉に動くがしばらくするとまた客待ちのタクシーが何台か並ぶ。

「立っている者は親でも使え」と言うが、先日、「宅配便はタクシーが配達、貨客混載は地方を救うか」という雑誌の記事を見てハッと思った。記事の内容は佐川急便が地方のタクシー会社と組んで、宅配の末端をタクシー運転手にやってもらうというもの。浜通りでは運転手だけでなくあらゆる職種が人手不足だ。運転手は全国的にも不足しており、10年前にくらべて求人倍率は3倍になっている。それなのに1日の大半を客待ちで過ごし、その間エンジンもエアコンも動かしたままである。タクシー会社も経営が大変なはずだ。

今は、パソコンやスマホなど通信が発達し、情報は写真でも動画でも簡単に届けることが出来る。注文もスマホで簡単に出来るが、出来ないのが現物の配達でこれだけは電車、トラックなどで運ばなければならない。特に末端では一つの品物を宅配のドライバーが手で各戸に届けている。旅客事業者が貨物輸送も掛け持ちで行うのは「貨客混載」と呼ばれる取り組みだが、こうした動きは地方で広がり始めている。

浜通りでも規制緩和によるこのようなマルチタスクを速やかに検討するべきだ。物を届ける仕事は宅配便以外にもたくさんある。高齢者は出歩くことが出来ないので買い物代行、薬を貰いにいく、郵便物や宅急便を出しに行く、弁当を配達する、郵便物や新聞を届ける、ゴミをゴミステーションに出すといったことをしてくれれば助かる。

タクシードライバーやトラックのドライバーがマルチタスクをすることでサービス産業の生産性が上がり、企業やそこで働く運転手の収入増加にもつながる。なによりもサービスを受ける住民側が喜ぶ。過疎が進むなかで、物を運ぶということでは、まだマルチタスクが十分に考えられていない。今後の重要な課題である。  
 

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