日本エネルギー会議

  • 設立趣旨
  • お問合せ

アメリカのダイナミズム

日本ではメガソーラーを中心とした再生可能エネルギーが伸びた結果、昨年あたりから接続抑制が起きている。真昼に余剰になった電力を蓄電池に貯めて日が暮れてから使う方法は太陽光発電や蓄電池の価格が高すぎ採算が取れないとされている。風力発電について北海道電力が蓄電池併設を接続条件にしたが、それを実現した新電力はそれほど多くない。

しかし、アメリカでエネルギー貯蔵設備の経済性が高くなり、太陽光発電などの再生可能エネルギーの導入価格の低下とあいまって、より多くの電力会社が「蓄電池プラス太陽光発電」を経営計画に含めるようになったと日経Xテックのニュースが伝えている。

エネルギーなら石油、石炭、シェールオイル、原発などなんでも豊富にある国でこのような動きがあることはすごいことではないか。 トランプのパリ協定離脱なんのその、アメリカ企業の持つ資本主義のダイナミズムを感じる。環境問題に厳しいカリフォルニア州(州は電力会社に2045年までに全電力販売量をカーボンフリー電源にすることを昨年新たに義務付けた)では、電力会社は老朽化するガス火力発電所を再建するのではなく、逆に段階的に廃止し、需要ピーク時の電力供給対策として蓄電池を採用し始めた。

例えば、サザン・カリフォルニア・エジソン電力会社は今年4月に総設備容量181MWのエネルギー貯蔵を競争入札にかけたが、その一つは100MWで北米最大だ。ここでも市場競争原理を働かせている。採用される蓄電池は韓国製が多いようだ。導入はいきなりではなく、過去2年間にわたって実用環境の中で、Liイオン蓄電池の性能やエネルギー貯蔵システムの制御の自動化、電力網への統合に必要な性能などを実証してきたとのことである。

日本も九州の太陽光発電と北日本の風力発電を活かすため、国が支援して大型蓄電池の併設を目指すべきではないか。しかし、現状は電力会社が既存の原発や火力に引きずられてしまっているようだ。日本の火力発電所は稼働率50%台。であれば蓄電池を使ってこれを80%台にすることが考えられる。効率の悪い火力発電所を廃止し、最も高効率の発電所の構内に蓄電池を設置することも考えられる。

大型蓄電池は揚水式ダムや天然ガス貯蔵施設より短期間で建設が出来る。二酸化炭素排出が減り、輸入エネルギー資源も減る。蓄電池の大量発注は日本の蓄電池メーカーの育成になり、価格低下と生産設備増強につながる。いいことばかりのこの案を経産省や電力会社は何故考えないのか。
 

  • データベース室
  • エネルギーとは?
  • 世界と日本のエネルギー
  • 原子力の論点
  • 放射線と健康
Facebook Twitter