日本エネルギー会議

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驚くほど意識の変わらない国民

台風15号が直撃した千葉県では一週間以上経過しても停電が続いている。信号機は働かず交通渋滞、ガソリンスタンドは開店休業。病院では生命が危険にさらされた透析患者などの移送や電力会社が手配した電源車の受け入れにてんやわんやだ。各家庭では冷蔵庫のものは腐り、水も出ないしエレベーターも動かない。携帯電話の充電も出来ない。先の北海道ブラックアウトでもそうだったが、太陽光発電を設置している住宅ではこれがいくぶん緩和されていて、近所の人たちが携帯電話の充電に訪れる。蓄電池まで備えている住宅はほとんどないが、昼間だけでも電気が使えるのはありがたい。こんどの台風を契機に住宅用太陽光発電をつけようという家庭も増えそうだ。

一方、池に太陽光パネルを浮かべたメガソーラーが風でめくれ上がり火災も起こすなど、再生可能エネルギーが自然災害に弱い面を見せている。今後、温暖化で海水温が上昇、台風の大型化が進めば、今回千葉で観測された風速57メートルでは済まなくなる可能性が高い。太陽光パネルが飛ばされて落下すればそれこそ危険だ。風力発電の風車の羽もそうだが再生可能エネルギーは環境にやさしいなどと考えていると思わぬ落とし穴がありそうだ。安全基準の引き上げを検討しなくてはならない。

インフラに関する人々の意識もまだまだ昔のままだ。中規模の病院の院長がインタビューで「非常用発電機はあるが、燃料が2時間しかもたない」などと語っているのを聞くと、どうしてそんなに短いのかと不思議に思う。これでは福島第一原発の事故以前に、もしも停電しても外部電源は30分以内に復旧すると考えていた原子力安全保安院や電力会社と変わらないではないか。人の命を預かっている病院ならば、燃料タンクの増容量行い、それとは別に太陽光発電と蓄電池を備えるくらいの慎重さが必要だ。一般家庭なら三日間使える量の
電気が蓄えられる電気自動車の蓄電池としての活用も考えるとよい。昨年地震被害のあった熊本では役所が公用車として日産リーフをたくさん購入して、非常時にはこれを電源につかうことにしている。

石油業界も東日本大震災でほとんどのガソリンスタンドが営業出来ずユーザーに迷惑をかけた反省を生かしていない。給油用のポンプを回すための非常用電源装置を何故設置しないのか。社会を支えている業種という意識が希薄すぎる。警察も信号機がつかないので警官を主要交差点に派遣して手旗で誘導をしているが、信号機用の非常用電源を準備するという発想はないのか。

阪神淡路大震災、東日本大震災以後、熊本地震、西日本豪雨、北海道の地震など災害が続いたが、いまだに自分ところはこないだろうと思ってはいないか。多くの自治体が「地価が下がる恐れがある」とハザードマップの作成公表に後ろ向きだという。驚くほどに現実的発想、実戦感覚が育たない国民である。

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