日本エネルギー会議

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先鋭化する温暖化懸念(15)

温暖化防止を求めてストライキを始めたスエーデンの16歳の少女グレタ・トゥーンベリさんは、ニューヨークの国連の気候変動に関するサミットに参加するため、温室効果ガスを排出する飛行機ではなくヨットでイギリス南部の港から出航し2週間かけて到着したというニュースを見た。日本企業が開発したユーグレナでつくったバイオジェット燃料を使ったほうがもっと楽に移動出来たのを彼女は知らなかったようだ。今やヨーロッパでは「飛ぶのは恥」と列車による旅行がブームになって航空会社が焦っているらしい。

そんなことをしなくても、温暖化による異常気象が飛行機を飛べないようにした例もある。関西空港が水没して多数の国際便がキャンセルされたことはよく知られているが、今年、長崎空港でローカル便の旅客機が燃料タンクの温度が規定値を超え、水で外から冷やしたが効果がなく当該便がキャンセルされている。また、アメリカでは気温が高くなりすぎて飛行機の翼に発生する揚力が少なくなり、離陸のために通常より長い滑走が必要となったが、滑走路の長さが足りずに結局飛行を諦めた例がいくつか発生している。こんな例が来年も起きるようでは大変なことになる。

温暖化によって輸送手段に支障をきたす例は飛行機だけではない。鉄道は台風の大型化にともなう雨風で倒木が架線を切り、線路の基盤が崩れる。熱波によってレールが曲がる。船は高波で航行不可能になり、岸壁が破壊される。道路のアスファルトが熱波で溶ける、自動車が強風で横転し洪水で水没する。電気やガソリンの供給が出来なくなれば動くことが出来なくなる。避難するにも救援に駆けつけるにも輸送手段が必要だが、それが土砂災害などで難しくなることが次々と起きている。

最近、東京の地下鉄が水密化目標を打ち出したが、地下鉄や地下街は基本的に水没の危険であるため、大きな災害にならないうちに廃止する方向で行くべきだ。異常気象の影響をまともに受けるようになった日本は、輸送システムに関する異常気象総合対策を至急スタートさせなくてはならない。

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