日本エネルギー会議

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「クローズアップ現代」を見て

今日は午後から福島第一原発の事故に関わる裁判のニュースが続いた。夜になってもBS・TBSの「19:30」で本日のメインテーマとなり、10時からはNHKの「クローズアップ現代」で、今日の判決結果や裁判の過程で明らかになったことが詳しく報じられた。

東電の幹部に対する判決は無罪であったが、裁判での証言や証拠資料、さらには内部の議事録、当事者の証言などによって東電社内の「対策を先送りする」意思決定の過程が説明された。そのなかで、意思決定のあいまいさ、現場と本店の意識のずれ、日本原電が東海第二原発で密かに対策を進めて津波によるメルトダウンを防いだがそのことは外部には伏せられたこと、何故伏せられたかについての推測などが示された。判決とは別に少しでも真実に迫ろうとする姿勢からはこの番組の伝統を感じた。 

番組の最後にゲストの田坂元内閣参与が「安全は技術的な基準などだけでなく、人や組織、制度、文化などが整わなくてはならず、それを達成して初めて原子力が信頼に足るものになる」とコメントした。田坂氏の意見は著書「官邸から見た原発事故の真実」(2012年 光文社)にも書かれているが、まったくその通りだ。番組の締めとしても適切だった。

ただし、人、組織、制度、文化などが具体的にどのように安全に関わってくるのか、経営判断にどのように影響を与えていくかのメカニズムについての説明がなかったので、いまひとつ理解が進まなかったが、時間的制約からやむを得ないところだろう。今後は具体例を挙げて説明することで一般の人たちの理解を深めるとともに、原子力の関係者が現状を見て気をつけなくてはいけないポイントを知り、また内部を点検する際に使えるようにしなくてはならない。

人、組織、体制などが経営判断に影響する様は、原子力だけでなく他の業界でも、他の組織でも共通することが多いはず。また、世界共通のものもあるし、日本独特なものもある。これらは長く組織の中にいたことのある人、事故を経験した人でなくては深くは知り得ないことでもあり、これを明らかにするのはOBたちの責任である。斯く言う私もその一人であり、これを機会にそれらを文字として残したいと思うのである。

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