日本エネルギー会議

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先鋭化する温暖化懸念(17)

台風15号の被害は甚大なものになった。台風と言えば、沖縄、九州、四国、そして紀伊半島などに上陸すると相場が決まっていたが、最近は関西、東海、関東の大都市が大型台風に襲われることが多くなったように感じる。週末には東海、関東をさらに大きな台風が直撃しそうで人々の間に緊張が走っている。

上空から撮影された千葉県の被害状況は一面のブルーシートを被った家屋の情景により強く印象づけられた。築後数十年の家は風速50メートルを超す暴風に遭えば、瓦が飛ばされトタンがめくれる。そこから雨が侵入してカビが発生し、住めない家になってしまう。これほど日本の家屋が大風に弱いものとは思わなかった。あの情景は次に大型台風に襲われる地域の姿である。

これからは大型台風が来るたびに都市が次々と破壊されて、都市はその姿を変えていく。異常気象は容赦なく人々の生活や国の形を変えていく力を持っている。最も頭を切り替えなくてはならないことは、この大型台風は東日本大震災の大地震や大津波とは異なる形の災害だということだ。

大地震や大津波は毎年来る可能性は少なく数百年の間隔で襲ってくるが、大型台風はこれから毎年数多く発生し、そのうちのいくつかは日本の太平洋沿岸を襲う。温暖化による日本近海の海水温が高くなっているため、台風が大型化し日本に接近するメカニズムが出来てしまっている。この点が温暖化の怖いところだ。大型台風が毎年来るのでは復興は間に合わず、列島で人が安心して住めるところがだんだん少なくなっていく。首都移転も再び検討されるようになるだろう。日本の指導者たちは「今回の台風の被害に対する手当て」ではなく、「各県毎の安全な居住場所の指定」「移転のための支援制度とその財源の確保」をする発想の転換が必要だ。

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