日本エネルギー会議

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避難先での被災

原発事故で浪江町、大熊町、双葉町、富岡町などから避難し、県内外に新たに土地を求めて家を新築、あるいは中古物件購入をした世帯で、今回の台風19号と豪雨により家が床上浸水の被害を受けた例があることを知った。
私は原発事故で避難した先の郡山市で最初は大きな避難所に入り、続いてワンルームのアパートに移り、そこで一戸建ての中古物件を探し続ける日々を過ごした。郡山市の不動産屋を何軒も訪れたがなかなか適当なものが見つからなかった。あるとき小さな不動産屋が郡山市に隣接する須賀川市に手頃な平屋建ての中古物件を紹介してくれた。現地を見たが価格、間取り、利便性などは適当だったが、阿武隈川に支流の滑川が流れ込む地点に近いところだった。念のために須賀川市役所に行ってハザードマップを貰って確認したところ、驚いたことに大雨で浸水するエリアの中だった。過去には何回も浸水したこともあったことがわかり、すぐに不動産屋には断りを入れた。その後、その物件は誰かが購入して住んでいる様子だったが、やはり今回の台風で浸水した。

当時、避難した人々で家を求める際の一番人気の場所は、気候が温暖でもともと暮らしていた場所から近い、いわき市であった。避難した人数から見てもいわき市が多かったため、いわき市の地価は急上昇し翌年の全国上昇ランクで3位に入るほどだった。私の知人はようやくJR常磐線いわき駅の北側に車で15分程度のところに土地を見つけて購入した。その後、彼の息子の職場や孫の学校のことで、いわき市をあきらめ郡山市で暮らすことを選択し、いわき市の土地を別の避難者に譲った。今回の台風で、その場所に建てられた家は夏井川とその支流が氾濫したことにより1階が完全に浸水するほどの被害を受けた。

知人は有名ハウスメーカーに依頼して郡山市に土地を探し、大きな家を新築した。そこも今回の阿武隈川の氾濫で水没の危険があったが、基礎高を80センチにしておいたためにかろうじて床上浸水は免れた。駐車場の車もドアの下まで浸かったが車内浸水はしなかった。知人は家族とともに避難所に避難し無事であった。私が郡山市役所で入手したハザードマップを見ると、そこは過去に浸水したエリアのすぐ外側であった。

無理に土地や家を探した結果は、本来家を建てるには危険な場所を勧められることになる。避難による需要の高まりを受けて、いままで家を建てるには不向きとされていた場所にも土建業者が宅地造成して売るといったことが行われたようだ。ハザードマップ内の土地を勧める不動産屋やハウスメーカーにも問題がある。避難者もハザードマップを入手してしっかり確認するなどしてから家を建てないと再び被災してしまうということだ。

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