日本エネルギー会議

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電力国有化の闇

東電が日本原電に東海第二原発の改造費に当てる2200億円を電気料金前払いのかたちで出すことを決めた。東電が何故出せるのかと言えば、福島第一原発の事故で実質的に国のものとなっており、いくら借金をしても返済期間を延ばせば正当化される仕組みになっている。

昔「上海バンスキング」という借金王を描いた映画があったが、東電は借りまくったために既に怖いものがない状態だ。首都圏に暮らす4千万人の顧客を握っているので、停電させないことは至上命題で、政府は東電の要求を飲むしかなく、完全に市場の論理から外れてしまっている。国有化すれば経済合理性に反することも行いうる怖さがわかる。 

東北電力など4社も日本原電に対する支援を決めた。東海第二が再稼働後にいくらで発電出来るかは企業秘密であるとして明らかにされていないが、4社の株主からすれば支援の根拠を知りたいのは当然だ。いつまでに再稼働出来たとした場合に経済合理性を持つのか、追加工事費用が上振れする可能性はどのくらいあるのか。株主だけでなく4社から電気を買っている消費者に対しても説明責任があるのではないか。こうした電力会社の姿勢が原発に対する不信感を増すひとつの原因だ。

大手電力会社は原発関連で再稼働待ち、核燃料サイクル完成待ちという大きな問題を抱え、これに対する費用が日々膨らんでいる。一方、自由化したためにこれらの費用を安易に売電価格に転嫁出来なくなっている。経営が行き詰まるようなことになれば、せっかく自由化したのに電力安定供給の名の下に国が大手電力会社を救済しなくてはならなくなる。結果的に、国が大手電力会社をも実質国有化し、原発再稼働と核燃料サイクル路線の維持にエンドレスに税金を使うことになりかねない。これを国民がエネルギー安全保障のためと理解してくれるかが問題だ。

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