日本エネルギー会議

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先鋭化する温暖化懸念(24)

再生可能エネルギーは二酸化炭素を排出せず環境には優しいがコストが高いことが問題とされてきた。しかし、欧米では太陽光発電や風力発電の発電コストが火力発電や原発の発電コストを抜き始め、さらにコストを下げるための猛烈な開発競争となっている。日本でも下図のとおり太陽光発電のコストは基幹電源に相応しいものを目指している。

日本における大規模太陽光発電の発電コスト見通し

では、コスト競争に敗れた原発は退場するべきなのかといえば、そうではない。我々を取り巻く環境は地球温暖化により多くの生物が生息していけない状況まで悪化し、世界中で人が亡くなり、資産が使えなくなり、生産活動が停止する。一説によれば、異常気象による経済的損失は世界中で2030年までに250兆円に上ると言われているが。実際はそんなものでは収まらないだろう。温暖化による損害は想像出来ないほど大きなものであり、それと比較すればコスト高になったLNG火力や原発を使うことによる経済損失は問題にならないほど小さい。

鄧小平の「白猫であれ黒猫であれ、鼠を捕るのがいい猫だ」を真似れば「どんな電源であれ、二酸化炭素排出がない電源がいい電源だ」となる。これからは、二酸化炭素を出す電源とそうでない電源ははっきりと区別し、二酸化炭素を出すものはきっぱりと止めるべきだ。

原発はもともと二酸化炭素フリーであり、温暖化に対して悪影響は与えない電源である。そのことは何を意味するかと言えば、完全なものではなく欠点があることは認めた上で原発は使うべき電源だということだ。「世界のどこかで再び福島第一原発のような事故が起きてもよいのか」との問に対する答えは「そのリスクがあってもこの際、二酸化炭素フリーの原発は事故を起こさないように最大限の注意を払いつつ再生可能エネルギーが使い続ける」である。
いまだに大気中の二酸化炭素が増え続けているような状況では、エネルギーの使用制限や炭素税も含め、それこそあらゆる手段を動員しなければ温暖化が収まらず人類社会が破局に至るリスクが顕在化する。そのリスクは原発の過酷事故など比べ物にならない。  

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