日本エネルギー会議

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新たな脅威への対抗措置

矛盾という言葉は、昔中国の楚の国で、矛 (ほこ) と盾 (たて) とを売っていた者が、「この矛はどんなかたい盾をも突き通すことができ、この盾はどんな矛でも突き通すことができない」と威張ったが「それではお前の矛でお前の盾を突けばどうなるか」と尋ねられて答えることができなかったという故事に由来している。兵器の開発では、新しい兵器が開発されるとそれを防ぐ兵器の開発がすぐに始まる。だが、それが完成するまでは矛の方が絶対的に有利。まさに先手必勝の状況がつづくのだ。

昨年の9月14日早朝、サウジアラビア東部州にある国営石油会社サウジアラムコの石油施設に攻撃があり大規模な火災が発生した。サウジアラビアの中でもとりわけ重要な石油施設が集まっている場所で、同国の石油生産量の60パーセントにあたる日量570万バレルの生産が停止した。石油施設が地上からの攻撃、あるいは弾道ミサイルによる攻撃には比較的強いものの、ドローンや巡航ミサイルによる攻撃には脆弱であることが露呈した。その後いくつかの声明は出たが、いまだに誰が攻撃したかはわかっていない。

日本は石油の輸入を絶たれる端緒になるのではと心配をしたが、もっと恐れなくてはならないのはドローンという安価で大きな能力のある機器が兵器としても十分に使えることを全世界のテロ組織が知ったことである。今の日本で某国のスパイにドローンによって発電所や発電所、送電線、変電所、天然ガス貯蔵施設や石油備蓄基地などのインフラを攻撃されたら防ぐことが出来るのか。ドローンという新しい矛に対する盾を急いでつくる必要がある。それが出来るまでは政府も電力会社も枕を高くしては寝ていられないはずだが、その後検討はされているのだろうか。

送電線や送電鉄塔の点検をドローンで行う試みは進められているようだが、同時にこうした設備に対するドローンによるテロ攻撃に備えた対策も行わねばならないのが現代の世界の情勢だ。事が起きてから「後手にまわった」とは言っていられないはずだ。

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