日本エネルギー会議

  • 設立趣旨
  • お問合せ

JR常磐線の開通

昨日、東日本大震災と福島第一原発事故の影響で、最後まで不通となっていた常磐線の富岡~浪江間が復旧し9年ぶりに全線(仙台~品川・上野)が開通した。
現役時代は茨城県にある東海第二原発、福島県にある福島第一、二原発に行くのに常磐線の特急に乗ることが多かった。富岡町に住んでからは東京での会合などに出るために朝早く富岡からいわきまで乗り、そこから特急で上野まで行った。
常磐線は強風が吹くとよく止まった。海沿いに走るので濃霧による停止も発生した。常磐線は北陸線の雷鳥などと比較すると特急でもスピードが遅いという印象が強い。路盤が悪いためひどく揺れて長時間乗っているととても疲れた。

現在、朝の7時台で時刻表を見ると、東京から仙台まで新幹線で1時間58分であるのに対して、常磐線は東京・仙台間が7時間22分もかかる。福島県の最南端のいわきまでも3時間51分、福島第二原発のある富岡まで5時間5分、第一原発のある双葉まで5時間20分だ。新幹線のやまびこ号で仙台まで1時間58分、そこから常磐線を使って南下して双葉に行く迂回ルートを使うと、金はかかるが4時間29分で行ける。新幹線との差はあまりにも大きい。

常磐線は水戸・東京、あるいは、いわき・東京の乗客が多く、いわきより北は乗客が少なく、いわきと原ノ町(南相馬市)の間の通勤通学電車と言ってよい。原発で避難して、いわき市に家を建てた各町の職員などは今回、マイカー通勤から電車通勤になった人も多いだろう。福島第一原発の廃炉の仕事で東京方面から来る人、あるいは福島第一、第二原発に単身赴任している工事関係者は週末にこれで東京に帰ることになる。

沿線にいた若い人たちは、ほとんどいわき市、郡山市、福島市に移ってしまい、震災後、双葉郡の高校はふたば未来学園、小高産業技術高校の2校だけ。いわき市から南相馬市、相馬市に、あるいは逆の場合は常磐線による通学が可能だ。大勢の住民が去り、いわき・原ノ町(南相馬市)沿線の人口は半分以下になり高齢化している。開通の際にインタビューを受けた人は観光客に期待すると言っていたが、Jビレッジのイベント、廃炉と研究開発施設関係の出張や視察以外には外部からの乗客は当分無理だろう。

常磐線とほぼ並行して造られた高速道路の常磐自動車道は現在、片側2車線化工事がたけなわだ。いわき市、仙台市へ若い人が買い物や遊びに行くには車を使うのが当たり前になっている。JRを含む高速バスも運行しておりこれも人気がある。

全線が開通となった常磐線は震災前より本数を減らして運行するが、これから大幅な赤字路線になるのは必至で、JR東日本も東北新幹線などで稼いだ分で赤字をカバーしていくはず。立派な駅舎が出来た。駅前にはホテルも建ったが、どのように維持していくのか。復興の前進は、同時に新たな課題を作り出している。

  • データベース室
  • エネルギーとは?
  • 世界と日本のエネルギー
  • 原子力の論点
  • 放射線と健康
Facebook Twitter