日本エネルギー会議

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ハコモノ建設に条件を

平成の大合併をきっかけに全国の自治体で展示館や音楽ホールなどいわゆるハコモノが造られ、それが十分に利用されていない、毎年の維持費が地方の財政を圧迫しているなどの問題がずっと指摘されてきた。原発が立地している自治体は合併したところは少ないが、電源三法交付金などで財政が豊かで、以前から自治体の規模に不似合いなハコモノが競って造られ、そのほとんどが持て余されていた実態がある。先日の関西電力高浜原発の不祥事の報道でも、高浜町の各種施設の豪華さが目をひいた。一番喜んだのは町の土建業であり、住民はこのことにあまり触れられたくないような雰囲気がある。

東日本大震災・福島第一原発の事故の被災地である福島県浜通り地域においても、復興の掛け声とともに予算消化のためもあり震災資料館など再びハコモノづくりが進んでいる。特に人口減少が著しい浜通りは震災以前にもまして人口が減っているので利用者数は多くは見込めない。維持管理の地元雇用も今までのようにはいかず、遠くからの通勤者に依存しなくてはならないようだ。

これらのハコモノのオープンセレモニーは知事も迎えて盛大に行われニュースにもなるが、その陰で将来無用の長物どころか復興自治体の財政の足をひっぱる要素が着々と増加していることが心配だ。そこで考えるべきは次の三つの条件である。
(1)
集客や利用を含め、将来的にその存在が意義のあるものであること。
近隣の自治体に同じような施設がある場合はつくらない。利用率が一定の水準を超える見込みがあり、毎年実績の公表を義務付ける。(議会で野党から質問されない限り言わないのが普通)

(2)
維持費の一定割合を自力で賄えるような仕組みを持っていること。
維持費の将来的見積もりがされている。自治体の年度予算に対する一定割合を超えないことが保証されている。例えば、自治体の行う発電事業、事業投資などによって維持費の一部が賄えるような仕組みを持っている。

(3)
災害時の避難所や備蓄の場所としての性格も併せ持っていること。避難場所などに適したロケーションであること、災害時にすぐに避難所として使用できるように作られていること。
 
今後、浜通りでハコモノを新たに建設する、あるいは現在のものを大幅にリニューアルする際は、これら3条件を満たすこと、それを事前に情報公開し、毎年状況報告をすることを要件とする必要がある。それが復興のための消費税率のプラス分を支払っていただいている全国民(被災者も今年の確定申告で支払ったはずだ)への誠意というものではないか。

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