日本エネルギー会議

  • 設立趣旨
  • お問合せ

テレビ向け専門家の育成

新型コロナウイルス感染が発生してから連日テレビのニュースショーや特番には感染症の専門家が登場して、専門知識をわかりやすく説明し司会者やコメンテーターからの質問に答えている。ほとんど同じ顔ぶれで、毎日出る女性の研究者は週刊誌で「コロナの女王」などと書かれている。専門はいくつかの分野に分かれていることが多く、研究だけでなく現場の医師も呼ぶ場合がある。

そこで思い出すのが福島第一原発の事故の時のテレビ番組だ。避難をしている最中だったため全部は見られなかったが、研究者が専門家として登場した場合は現場的な感覚が不足しているようで電力会社やメーカーの専門家の登場も必要と感じた。

当時は福島第一原発で何が起きているのか、現場の状況がわかる写真やビデオもなく、水素爆発も遠くからの望遠レンズで捉えたものだった。専門家もあまりにも情報が不足しており炉内の状況を推定するだけで、今後どのように事故が拡大していくのかもコメント出来ず視聴者に不安を与えた。官房長官や原子力安全・保安院の記者会見の様子も中継されたが、話をしている本人が内容を理解して喋っているようには見えなかった。全国の視聴者は原発についてほとんど知らないのだから、テレビ局はまず原発の構造から説明していた。

福島第一原発の事故後に規制が独立し、規制基準も改められ避難計画も作られ事故訓練は内容頻度とも充実した。テロ対策工事も行われており、それなりに安全性が向上している。メディアも福島第一原発の事故について毎年3月11日が近くなると特番を作成し新聞も特集記事を掲載している。

しかし、再び原発で事故が起きたときに原子力規制庁、電力会社、メディアで果たして国民に十分な説明が出来るだけの準備がされているのかについては疑問が残っている。福島第一原発の事故の際は、原子力安全・保安院の職員が現場からいち早く避難してしまったし、オフサイトセンターは開店休業状態で結局、役割を果たせなかった。メディアの映像も先に述べたように限られたものだった。これらは改善されているのだろうか。事故訓練、避難訓練と併せて記者会見や解説の訓練をやらないのは何故か。

原発事故が起きた際に記者会見やテレビ番組に出てわかりやすい説明をして国民をひとまず安心させることの出来るスポークスマンを役所や電力会社が準備出来ているのだろうか。第一原発の事故の際は、避難指示が出された区域にはメディアの関係者はほとんど立ち入ることはなかった。現場からレポートする記者の教育や装備や機材、また適切なアドバイザーや資料などを各社、各局が準備出来ているのだろうか。

  • データベース室
  • エネルギーとは?
  • 世界と日本のエネルギー
  • 原子力の論点
  • 放射線と健康
Facebook Twitter