日本エネルギー会議

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ケアレスミスか意図的か

電気事業連合会のホームページで、ベストミックスについて次のような記述がある。

資源に乏しい日本においては、「S+3E」の観点から、多様なエネルギー源を組み合わせることが必要です。日本においては、これまで、特定のエネルギー源に依存することなく、バランスのとれたエネルギーミックスを実現してきました。エネルギー源の中でも、原子力は3Eのすべての点において優れた特性を持っており、エネルギーミックスの一翼として欠かすことができない重要な電源です。震災以降、原子力の停止が長期化し、火力への過度な依存が続いていますが、原子力も含めて多様な選択肢を確保し、バランスのとれたエネルギーミックスを再構築する必要があります。

日本のエネルギー自給率は9.6%。先進国35ヵ国中、2番目に低い水準にある。資源に乏しい日本は、エネルギー資源のほとんどを海外からの輸入に頼っており、脆弱なエネルギー構造の上に成り立っています。私たちは、電力の安定供給の源泉を、中東に頼りすぎているのです。


【出典】資源・エネルギー統計年報(2016年)を基に作成

火力発電の燃料として必要な原油の8割以上、天然ガスの約3割は、政情が不安定な中東に依存しています。
原子力を復活させないと、ベストミックスのバランスが取れないとする記述であることは理解出来る。だが、一次エネルギーの問題と電力供給の問題を混同している。「私たちは、電力の安定供給の源泉を、中東に頼りすぎているのです。」とあるがそれは違う。福島第一原発の事故後、火力発電に80パーセント以上を依存しているのは確かだが、その内訳は石炭火力と天然ガス火力であり、石油火力は以前から数パーセント以内だ。石炭や天然ガスは輸入先が比較的安定した国でもあり分散化も進んでいる。

この記述では中東で戦火が起きればただちに原油供給がストップし発電が止まる、だから原発を再稼働させなくてはならないと読める。原油ガストップしてピンチになるのは車や暖房だ。しかも200日分の備蓄もある。このような事実と異なる記述は、こと原子力に関連するところだけに大いに注意しないと電力会社が一般の人々から信頼を失うことにつながってしまう。ケアレスミスならばすぐに書き直すべきであるし、意図的に書いたのであればそれこそ問題で、原発再稼働の足を引っ張りかねない。

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