日本エネルギー会議

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不公平な賦課金負担

再生可能エネルギーを普及するために高い価格で電力を買取り、その差を賦課金という形で電力の消費者に広く負担させているのがFITと呼ばれている固定価格買取り制度だ。家庭用は10年間、メガソーラーなど事業用は20年間買い取られるからその間は賦課金が電気料金に上乗せされる。最近では標準世帯で年間1万円を超す賦課金が電気料金に上乗せされており、再生可能エネルギーの増加に伴い電力消費者の負担が大きくなっていることが問題視されている。増加傾向は2030年まで続き、その後は徐々に減っていくと予測されている。

この制度は使用する電力量に比例して賦課金を消費者から徴収しているので、一見公平に見えるが実はそうでもない。最も恩恵を受けているのが太陽光発電を個人の住宅に設置している人である。太陽光発電で発電した電気は自家消費以外を電力会社に売電しており、電力会社から毎月平均1万円程度が支払われている。不足する電力は電力会社から購入しているが、その量は太陽光発電のない世帯の半分以下である。賦課金は電力会社から購入する電力に比例してかかるので、賦課金は一般の世帯の半分しか負担していない。要するに賦課金を原資として売電分をもらい、支払う賦課金は半分で済んでおり、二重にこの制度の恩恵を受けているのだ。

貸家やアパートに住んでいる人はこのような恩恵を受け出来ないという不公平がある。さらに最近、福島第一原発の廃炉・賠償費用が当初想定の11兆円を大きく上回る20兆円を超えるという発表があり、その追加費用が電気料金に上乗せされる可能性があるようだ。ますます電力会社から電気を買わないで自分で発電した方がよいと考える人が多くなる。

既に太陽光発電を設置している世帯は、蓄電池が安くなればそれを設置して電力会社から買う電力をさらに減らすことで、賦課金をどこまでも少なくすることが可能になる。マイカーを電気自動車にすれば、そのバッテリーで夜間の電力を賄い、賦課金から逃れることもありだろう。

金に余裕のある人は、こうしてどんどん賦課金逃れをする。取り残された人たちはこれから増える賦課金をより少ない人数で負担しなくてはならなくなり、毎月の電気代と賦課金、さらには福島第一原発関連の負担金に苦しめられることになる。それではあまりにも不公平だろう。

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