日本エネルギー会議

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新型コロナウィルスで学ぶ日本人

朝から晩までテレビはどのチャンネルも新型コロナの話題ばかり。いささか食傷気味だが、やはり関心を持つのとそれしかやっていないこともあり、つい何時間も見てしまう。ネットでも海外のニュースは圧倒的に新型コロナで、他の問題はどこに行ってしまったかと思うくらいだ。

いままで知らなかった感染症の研究者からクリニックの医師、お馴染みのコメンテーターなどが盛んに議論しているのが「科学的には何が正しいか」「統計データはどうなっているのか」の話だ。それだけ新型コロナウィルスが不明な点が多いのだろうが、これは情緒的な話が多かった日本では珍しい。出口戦略にしても、大阪府知事は数字を挙げて目標を示しているので政府の数字なしより評判がよい。

そこで思うのだが、原発事故における放射線の人体への影響、トリチウム以外の放射性物質を取り除いた水の海への放流問題など、いままでどちらかといえば「数字はともかくとして人々の気持ちが」という議論が多かったが、この新型コロナウィルス問題が日本国民にデータに基づく科学的な考え方をする訓練になりはしないかと期待するのである。

また、感染者の数などもゼロではなくとも、一定の水準を下回ればよしとする考えが理解されつつある。いままでの日本人はとにかくリスクゼロ指向が強すぎで、そのためにはあらゆる犠牲を顧みないという傾向があった。

ここに来てようやく自粛の効果が現れて、誰もが人命を救うことと経済を死なせないようにすることのバランスを考えるようになっている。これは事故の確率や放射線影響への偏った考え方に苦しめられてきた原子力の関係者にとってひとつの希望である。降って沸いたような新型コロナウィルス騒ぎだが、行き過ぎたグローバリゼーションへの反省、日常からの危機管理の重要性の認識、リーダーの資質への関心などとともに、国民の多くが科学的にものごとを考え、何がなんでもゼロリスクを叫ばないやり方を学ぶという思いがけない効果が現れている。

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