日本エネルギー会議

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ポストコロナのエネルギー問題

コロナウィルス危機を経て、我が国では過剰な外国依存を反省し医薬品など国民の生命を守るための必需品について自国調達、備蓄増強の方向に向かっている。貿易をするにしても輸入先、輸出先を分散しておく必要がある。エネルギーや食糧についてもOECDでも最低クラスの自給率に対する懸念が再燃している。

今回のコロナ危機により世界的に経済活動の低迷が続くことを覚悟しなくてはならない。エネルギー需要は急減し化石燃料などの価格は暴落、競争力の劣るアメリカのシェールガスなどの産業が淘汰されつつある。石油や天然ガスの輸出に国の収入を依存しているサウジアラビアやロシアは増産せざるを得ず価格はますます下がるだろう。

日本の電力供給は火力発電が主力だが、特に石炭とLNGを多く消費している。世界各国の経済がコロナ危機から脱する過程で化石燃料に対する需要が回復してくるが、コロナ危機によって世界各地で国際紛争や内乱が増加し、中東から石油やLNGを運ぶシーレーンの供給不安が起きると、日本は一気にピンチに追い込まれる。

石炭は備蓄が出来るが、LNGは超低温で液化しているため特別な貯蔵設備を必要とし備蓄は2週間程度しかない。また長期契約で輸入しているため需要が少なくなっても大量に受け入れざるを得ず、場合によっては安く転売しなくてはならないリスクがある。また、発電所や送変電所のスタッフ、化石燃料を運搬する船舶の船員などのウィルス感染防止が重要となる。今我が国で大規模な停電が起きるとすると、LNG火力に関連したサプライチェーンが切られることや自然災害による沿岸の火力発電所の被害が一番心配である。

原発は準国産エネルギーとして再稼動を急がねばならず、残りの原発もエネルギー安全保障面から安易に廃炉とはせず可能化な限り残すべきだ。いったい経済産業省の官僚たちは何を考えているのだろう。主要電源化が期待されている再生可能エネルギーは純国産エネルギーとして開発をスピードアップする必要がある。現在、ソーラーパネルや風車は輸入品の価格が安いので、建設すれば中国など海外企業を利することになる反面、世界で一番安い設備を使うことが出来る。賦課金の負担は痛いが、燃料は不要なので火力発電の場合のように、いつまでも輸出国側に金が流出し続けることはない。

再生可能エネルギーの短所である出力の不安定さをカバーするため、我が国は海底ケーブルや超伝導ケーブルを含む連係線、大型蓄電池、揚水式水力発電、デマンドコントロールやVPP(仮想発電所)の開発に今以上に力を入れ輸出産業に育てるべきである。今はこうした開発に資金を思い切って投入し、原発の廃炉は使用済み燃料の乾式貯蔵施設建設以外は先送りにすべきである。福島第一原発についても使用済み燃料の取り出しや次の津波対策は早く終わらせなければならないが、装置だけで1兆円もかかるデブリの取り出しなどはペースダウンすべきである。

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