日本エネルギー会議

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事故から10年でやるべきこと

今年はじめ、国は2021年3月末となっている復興庁の設置期限をさらに10年延長する復興庁設置法などの関連法改正案を閣議決定。来年3月以降も支援体制を維持するため、復興を支える仕組みや組織、財源を一体的に整備する。特に東京電力福島第1原発事故の被災地のために移住促進、風評被害への対応を目標に加えた。予算は2021年度以降の5年間で復旧・復興事業の規模を1兆円台半ばと見込む。中身は被災者支援1000億円、住宅再建・復興と街づくり2000億円、産業再生2000億円、原子力災害からの復興5000億円としている。

来年3月で福島第一原発の事故から10年。それまでにやるべきことがあるが、それは次のようなものである
・今日までに被害の確認が出来たものと出来なかったものの分別
・今も続いている被害や対応が先送りされたもの、新たに発生した問題
・これまで復興としてやったことの成果の確認、評価、課題整理
・事故の原因解明(ハード、ソフト)、対応の整理(新基準や制度に反映したもの、していないもの)
・第一原発の廃炉について実績と現時点での課題整理
・復興と廃炉についての今後の見通しと費用見積もり、負担のあり方の再検討

事故から10年の区切りにこれらの点に答えをだす必要がある。これからもいままでの続きだと惰性でやってはいけない。普通、商品を買う場合に請求書や内訳を見ないで買う人はいない。ところが、災害からの復興についてはしばしば国にお任せが横行する。予算額だけつけて内容はこれから決めるというのが多すぎる。省庁でもそうだが、自治体に交付金などで配られると、とにかく使い切ることが目的となってしまう。費用を負担するのは政治家や官僚ではなく納税者であり、気の毒なのは次世代の若い人々だ。経緯をしっかり記録して根拠と責任が明確になるようにするべきだ。

政府の復興計画延長と予算はいつの間にか決まったが、今までの10年の結果を踏まえたものかどうか今一度検証が必要だ。地元の町村議会では、惰性でやっていて効果が薄いものを議員が追求し首長が「見直す」という答弁をするケースも見られるが、県議会、国会となるとそうした質疑は少ないように思える。官僚は無謬性があり、失敗しても認めずさらに焼け太りのようなことまで起きる。それをどこまで見逃さずに報じることが出来るか、10年間見守り続けたメディアの力も問われることになる。

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