日本エネルギー会議

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大手電力会社の不安材料(2)

大手電力会社の不安材料の第五は競争力の低下である。世界的に再生可能エネルギーのコストは毎年下がり続け競争力を増している。しかし、大手電力会社が主力としている火力発電所、原発は建設、運転ともにコストが上がる要素がある。(ただし最近のコロナウィルス蔓延により、世界的な消費の落ち込みで化石燃料は従来にない価格低下傾向がある)
下図は国のエネルギー基本計画に使われている表であるが、世界の趨勢から日本だけが逃れることは出来ないだろう。

日本の電源別発電コスト
2015年、「総合資源エネルギー調査会 発電コスト検証ワーキンググループ」作成

全世界の電源別の発電コスト(新設案件、助成なしの均等化発電原価による)

出典:Lazard「Levelized Cost of Energy Analysis – Version 12.0」(2018 年11 月)

第六は設備の老朽化である。火力、水力、原発ともにすでに運転開始から何十年も経つものが多く、新しい設備は少ない。火力発電所の寿命は平均40年とされている。東京電力グループの場合、2020年時点で全設備の40パーセントがすでに老朽化している。現在は火力発電所で年間発電量の70パーセントを発電しているから、これらの設備更新が出来なければ発電量を確保出来ないことになる。

現時点で再稼動した原発は9基、これから運転する可能性のある原発は24基、建設中が3基であり、国内の年間全発電量に占める割合は4.7パーセントと太陽光発電の6.5パーセントを下回っている。原発は運転期間が40年と決められているが延長申請をして合格すればさらに20年運転出来る。その後は廃炉に入るが、リプレースの見通しがないため、いずれにせよ原発の老朽化は進む一方である。古い原発ほど新知見による原子力規制委員会のバックフィット対応が困難になることが多い。





60年運転にチャレンジしなければ、いまから10年後の2030年には、日本の原発は18基、2050年には0基になる。

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