日本エネルギー会議

  • 設立趣旨
  • お問合せ

驚くべき巨大なもの

日本国内最大の風力発電所が今年4月に完成し商業運転を開始した。グリーンパワー社が青森県つがる市で建設を進めていた風力発電所「ウィンドファームつがる」である。
1基あたり3200キロワットのGE製発電機を38基設置し、総出力は12.16万キロワット。全出力で運転した場合は、日本初の商業用原発である東海発電所(16.6万キロワット)に迫る出力となる。発電した電力は東北電力へ全量売電する。総事業費は約500億円。発電単価はまだ高いが日本の風力発電のスケールもとうとうここまで来たかと思う。

世界では1機で14000キロワットの風力発電所が開発されつつある。「ウィンドファームつがる」の1機3200キロワットの4倍の大きさだ。全出力で運転すれば、7~8機で原発1基と同じだ。この怪物のような風力発電を開発しているのはスペインの風力発電機器製造大手のシーメンス・ガメサ・リニューアブルエナジーで、2021年をめどに試作機を開発し2024年までには市場投入すると見られる。大型の風力発電機は主に洋上に設置されるが、従来の世界最大のものはGEがオランダのロッテルダム港に作った、定格出力12000キロワット、風車の直径220メートルの風力発電機であったので、開発中のシーメンス・ガメサ・リニューアブルエナジー製のものはさらに巨大なものだ。洋上での組立費用が大きいので、出力の大きい発電機が有利で発電コストを低下させるため際限なく大型化しているようだ。

直径220メートルの風車などどのくらいの大きさか想像出来ないが、原発の排気筒100~120メートルの2倍という高さだ。東京駅の丸の内側に立つ新丸ビルは198メートルだから、高さの想像は出来るがそれが回転するとはどうしても考えられない。戦艦大和は全長263メートル。そんなスケールの構造物を作って洋上に設置出来るように技術が発達した。今の洋上風力発電所は海の上に戦艦大和がずらりと何十機も規則正しく並んで立っているイメージなのだ。


巨大なローターが1回転するだけで家庭の電気1日分を発電すると説明されている。昔、原発の出力の大きさを説明するのに燃料棒の中のウランペレット1個で1年分の家庭の電気が賄えると見学に来た人々にPR館で説明したことを思い出す。同時にこのような巨大な人工物はそれなりの弱点やリスクも持っているのだろうと想像を逞しくして考える必要がある。

  • データベース室
  • エネルギーとは?
  • 世界と日本のエネルギー
  • 原子力の論点
  • 放射線と健康
Facebook Twitter