日本エネルギー会議

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20年で半分になったもの

テレビの国会中継を見ていたら、日本共産党の志位氏が今回コロナウィルス対策で中心的働きをしている保健所は1990年に全国に850あったが2019年には472になって、20年で半減していると指摘した。予算削減と統廃合など組織のスリム化による人員削減により、今回のような急な感染症拡大には対応出来なくなっている。志位氏は国民の生命を守るため削ってはいけないものまで手をつけたこれまでの政府のやり方を批判した。
この20年間で数が半分になったものは他にもある。ガソリンスタンドだ。1998年の5万6千から2018年に3万になり、いまも毎年700づつ減少し、限界集落では近場でガソリンや灯油を買うことが出来なくなっている。

同じく20年間で半分近くになったのが原発だ。原発だけでなく廃止が決まった研究施設も数多くある。いずれも建設はないので減少の一途である。

2019年9月19日現在

廃炉になり建設もないとなれば、原発を運転、保修、設計製作に当たる技術者技能者がそれだけ減ってしまったことになる。廃炉に期待がかかるが廃炉はいままでの建設運転とは違う。経済産業省が世界的原子力ルネッサンスに乗じて打ち出した起死回生の「原発立国政策」はすべての海外プロジェクトが撤退に追い込まれている。投資が減り雇用力発注力がなくなれば技術力開発力が失われていく。事務系も技術系も学生は原子力産業を就職先として選択しなくなる。これでは先細りだ。地元も経済的に原発依存出来なくなり、自治体は収入を補うため使用済み燃料などへの課税強化をしようとしている。

原発はあらゆる技術分野にまたがり、多層構造の請負体制も含め広い裾野を持った産業である。その産業の売り上げが半分になったということは、その分経済的な存在、それをバックにした政治力をも失ったことになる。これからさらに廃炉が多くなり建設がないとなれば企業の統廃合を進めることが自然な方向である。原発の場合、水平統合(電力会社同士)とともに垂直統合(電力会社と原子炉メーカー)も始まっている。かつて、そしていまもそうであるが石炭事業、繊維業、造船業、鉄鋼業などが通ってきた道を原発産業も歩むことになるだろう。これらがいずれも経済産業省が強力に支援した産業であることは偶然だろうか。

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