日本エネルギー会議

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注目したい工場

福島第一原発の事故後、県が復興計画の目玉とした「福島イノベーションコースト構想」は南相馬市のロボットやドローンのテストフィールド、浪江町のメガソーラーで作った電気で水素を製造する世界一の規模のプラントなどがよく知られている。政府もここで作った水素を東京オリンピックの会場や選手村で使用しようとしている。だが、浪江町にはさらに実用的なことをやっている工場が出来ている。

廃車される電気自動車で使用済みとなったリチウムイオン電池は、電池としてまだ70%ほどの容量を残している。車では容量的に使えないが、これを車から外して店舗や地域のバックアップ電源に利用することは十分に可能だ。日産自動車は2010年のリーフ発売前からその計画を持っており、10年かけて中古バッテリーのグレード分けを短時間で済ませる技術を社内で研究しており、その執念には驚かされる。

日産と住友商事の合弁会社であるフォーアールエナジーが2018年3月に開所した電気自動車の使用済みリチウムイオンバッテリーの再利用および再製品化に特化した新工場は、浪江町の藤橋産業団地内に整備され、グローバルな開発拠点と製造拠点としての機能を有し、国内初の再利用・再製品化拠点となっている。

製造される製品としては、世界初の電気自動車向け交換用再生電池をはじめとし、大型蓄電システムや電動フォークリフト等に使用される。工場は東日本大震災後に浪江町が整備している企業立地の第1号。再利用実証例としてフォーアールエナジーの中古バッテリーを活用した独立電源街路灯を「MIRAI-LABO」(東京)という企業が製作して浪江町の国道114号線に12基設置した。この街路灯はソーラーパネルとバッテリーで灯り電線を必要としていない。

日産以外にもトヨタもプリウスなどハイブリッドカー用の使用済みニッケル水素電池を活用した定置型蓄電システムを開発し、全国のトヨタの販売店で使っている。2018年には中部電力と共同で、電力の供給余剰分を蓄え需給調整に使う大容量蓄電池システムの構築などの実証実験を実施している。

海外ではアウディが、初の量産電気自動車「e-tron」の開発車両で使用済みとなったリチウムイオンバッテリーを定置型蓄電池として再利用する取り組みを行っている。ベルリンにおいて風力や太陽光で発電した電力のうち余剰電力を蓄えるユニットでe-tronの中古バッテリー活用を昨年春から行っているという情報もある。

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