日本エネルギー会議

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見直される水力発電(2)

前回、電力会社が新たな水力発電所建設に向かっていることを紹介したが、昨日も中部電力が安倍川水力発電所の建設工事に着手したと発表した。出力7,500キロワットの流れ込み式水力発電所で2024年末の運転開始を予定している。4年で完成というのはかなりのスピードだ。

環境省が過去に行った調査では、出力3万キロワット未満の水力発電が未開発となっている場所は全国に2万カ所以上あり、その潜在能力は1400万キロワットと試算されている。原発14基分で稼動率も原発並だ。自治体が管理している砂防ダムも含まれており、ダムの高さは10メートルでも発電は可能で100~300キロワット程度は出る。5ヶ所あれば1000キロワットになる。これは出力としてメガソーラーや風力発電と遜色はない。
1キロワットアワーあたりの発電コストは 設備の規模によって変り、出力が1万キロワット以上の大きな設備の場合には平均して10円程度と火力並みだが、1000キロワット以下の小規模なものは20円を超える。(環境省調べ)

問題は水利権が絡むこと、維持管理に手間がかかる(毎日のようにゴミを撤去する必要がある)ことだが、水利権の問題は権利を持っているところが主体となって水力発電をやればよい。規模が小さいので採算が取りにくいのも難点だが、固定価格制度が出来てからは開発が進み始めている。環境省は2050年に向けて3つのパターンのシナリオを想定している。

これ以外にも灌漑用水路でのミニ発電でハウスの冷暖房などに使うことが考えられる。トラクターなど農業用機械を電動化すれば石油の購入を減らせる。稼働率が高いので蓄電池なしでも電力会社から電気を買うことはほとんどなくなる。新しい農業は電力多消費型であり、それをソーラーや小水力など自家発でまかなうことは農業経営的に意味がある。電源としてではなく自家発による電力消費の削減と考えればよい。農機具メーカーは農業の無人化に向かって取り組んでいるが、次の一手として省エネにも挑戦してほしい。
(つづく)

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