日本エネルギー会議

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自由化の困惑

再生可能エネルギーの導入拡大のため経済産業省が検討している送電線の利用ルールの見直しについて電気事業連合会の池辺和弘会長は「安定供給に影響を与えるようなルール改正はいかがなものか」と述べた。
(8月5日付朝日新聞デジタル)

会長は「メリットオーダーで、今日は安いからそっちを動かして、こちらを止めてとなると、ちゃんと発電所をつくれなくなる。部分最適かもしれないが、全体最適になっているか、よく考えてルールを作らねばならない」と牽制したとある。しかし、間に合っていれば安く、不足なら高く売れるというのが市場だ。その力が最大限働くようにして消費者がメリットを受け、提供する側の努力を促すのが自由化の目的だ。いままで余っているからと接続制限をかけられ困惑していたのは再生可能エネルギー側だったが、大手電力会社がその立場になると今度はそれでは困るというのは我が儘だ。

不安定な再生可能エネルギーをカバーするために大手電力会社の火力発電や水力発電が振り回されるのはゴメンだと言いたいのだろう。だが、玉が不足すれば値段が高騰するのは当然で、日本でも8月に入って日本卸電力取引所(JEPX)のスポット市場で受け渡しの約定価格が30円を超え年初来高値をつけた。儲けなしにカバーをやらされるわけではない。

そもそも大手電力は自分たちが再生可能エネルギー開発に熱心でなく、将来ビジョンも描かず、従来の電源にしがみついていたことを反省すべきだ。日本では大手電力会社ではない事業体が大半の再生可能エネルギー設備を建設してきた。新エネルギー日報のサイトhttp://nenergy.jp/field/pv01.html には、太陽光発電や風力発電関連で毎月それぞれ10本以上の記事が掲載されているが、大手電力会社の名前はあまり見当たらない。ほとんどは聞いたことのない企業体、あるいはゼネコン、商社、自治体など。

ここに来て、東北の日本海側や銚子沖の風力発電プロジェクトにようやく大手電力会社の名前が登場しているが、ここ数年で急拡大したメガソーラーについては大手電力会社の存在感はない。情報収集力も技術力も資金力も十分にあるはずだが、社内での火力発電部門、原子力発電部門が大きなウエイトを占め、経営陣もそれらの部門の出身者が多いことがネックとなっていると思える。

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