日本エネルギー会議

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信頼喪失の種

経産大臣をはじめ原子力委員会の委員長、業界団体の会長まで繰り返し「原子力に対する国民の信頼回復に努力しなくてはならない」と述べているが、何故信頼が傷つくのかを考える必要がある。「言っていることに虚がない、理論的に整合性が保たれている、約束が守られる」は基本的なことだが、今までの経験からすると、「嘘はついていないが、不利になることについては自発的に発表しない、タイミングを見て大きく取り上げられないようにプレスする、辻褄を合わせるために苦し紛れなことを言ってしまう、黒塗りだらけの資料を提出する」など企業として姿勢、態度に問題なところがある。社会的責任のある企業として誠実さを感じられないということだ。まるで安倍内閣の対応のようだが、世論調査で安倍首相の不支持の理由の第一位はずっと「人柄が信頼出来ない」になっている。日本の顔がこれでは恥ずかしい。首相は「ご批判は真摯に受け止める」「今後も丁寧に説明する」で済ませる。国民はこのような姿勢、態度にさらに不信を募らせる。

そのような姿勢を変えられないのは、従来外に向かって言ってきたことに対して変更を唱えることについて組織内部や関係筋の了解を取り付けることがあまりにも大変だからではないか。外の敵に対する以前に内部の敵とも戦わなければならない。ここの内部の敵が手ごわいのだ。そこに引きずられてついつい外に対して誠実な態度になれないでいるのが実情ではないだろうか。

最近ではエネルギー基本計画そのものが不信の種になっている。到底達成出来ないと誰にでもわかる原発の電源シェア目標。需要予測の根拠になっている年率1.7パーセントの経済成長(実際は0.9パーセント)。原発や太陽光発電のコスト見通し外れ、世界的な脱炭素の機運の見落とし、省エネによる需要の縮小見通しの過小評価、規制緩和や技術革新の見通しの読み違いなど、第5次計画の際も敢えて最新データや知見を無視、計画のスタート時点から疑問を感じるものになった。国が原発などの従来方針から外れることを恐れた結果だ。今度の第6次計画では世界情勢や技術開発の最新動向をいち早く取り入れたものにしなくては、また不信の種になる。総合資源エネルギー調査会基本政策分科会のメンバーには国のご都合主義に妥協をしないようお願いしたい。

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