日本エネルギー会議

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人口が増え続ける町

日本の人口が急速に減り始めている。各地で過疎化が深刻な問題になっており、東京ですら人口が頭打ちになった。そうした中で都会からの移住者で人口が毎年増加している地方の町がテレビなどでよく紹介されている。しかし、それにも負けない町が福島県の浜通りに現れた。福島第一原発の事故が起きるまで私が暮らしていた富岡町である。この1年間に毎月平均34人増加し、1064人から1472人と4割も住民が増えている。

かつて1万5000人の人口があった町は、2011年3月の福島第一原発事故で全町民が一斉に県内外に避難した。2017年4月1日、帰還困難区域を除く区域が避難指示を解除され、町民の約3分の2が帰還可能になった。現在も避難したままの町民の大半が住民票を異動していないので、富岡町の統計上の人口はあいかわらず1万2000人あまりとなっている。

毎月手元に届く町の広報誌には住民台帳上の人口、世帯数とともに、実際に富岡町に居住している人数と世帯数が掲げられている。それによれば解除当初500人程度が帰還。加えて除染や福島第一原発の廃炉の工事関係者が600人ほど居住届けをしたため解除の1年後には1000人あまりが暮らす町になっており、昼間人口はさらに多い。

帰還した元町民は高齢者が中心で年々亡くなり人数を減らす一方、新たに仕事をするために入ってくる住民は着実に増えている。元の町民は昨年のアンケート調査で帰還しないとする人たちが50パーセント、既に帰還したとしている人たちが7.5パーセントなので、おそらく増加しているのは福島第一原発、第二原発の廃炉工事や除染の関係者とインフラ復興の関係者、それに工業団地に入った企業に所属する人たちであろう。今年7月1日時点で人口が1472人に対して世帯数は1042人。一世帯あたり平均1.4人で、独身あるいは単身赴任者が多いようだ。このままのペースで移住者が増加すれば、今後10年で人口は5000人台に達し、原発事故前の3分の1程度まで回復する可能性がある。

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