日本エネルギー会議

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赤道を越える電力輸出

オーストラリアで発電した太陽光発電の電力を、赤道を越えてシンガポールへ送電するプロジェクトをオーストラリア政府が認可した。ウェブで見つけたこのニュースは間違いなくビッグニュースだ。EnergyShiftというサイトの8月17日付のニュースの概要は次のとおりだ。

オーストラリア北部州のノーザンテリトリーにある世界最大級のメガソーラーから3700キロメートルの長さ(日本列島は長さ3500キロメートル)の高電圧直流海底送電ケーブルを使って、インドネシアやシンガポールへ電力を届けるプロジェクトをオーストラリア政府が国の主要プロジェクトに認可した。これが完成すればシンガポールの消費する電力の5分の1が賄われる。総事業費は200億ドル。80億ドルが直接オーストラリアに投資され、完成すれば年間約20億ドル相当電力の輸出になる。建設期間中にはオーストラリアに雇用を生み出し、建設後も間接的に雇用を創出する。

エネルギーに関する世界の動きは実にダイナミックだ。以前、イタリアで地域間の電力需給をマッチさせるために長距離の海底ケーブルを敷設する計画を日本企業が請け負ったニュースを取り上げたが、今回はスケールが桁外れだ。エネルギーは国の存立にかかわることで、ロシアとEUの天然ガス輸送パイプ問題のように全面依存については慎重にならざるを得ない。しかし日本は天然ガス、石炭、石油を全面的に海外依存しているのだから、いまさら何を心配するのだろうかとも思える。

日本があくまで電力輸入に手を出さないとしても、このニュースは十分に注目に値する。今、計画が目白押しの北海道沖や青森沖の洋上風力発電から電力を首都圏に、あるいは秋田沖や新潟沖の洋上風力発電から名古屋、関西方面に送電する場合、75パーセントが山地、山麓の我が国では陸上を経由するより海底を通した方が経済性、安全性、実現性が高いと思われる。海外プロジェクトの後塵を拝するのは残念だが、是非とも国産技術でこれを成し遂げて欲しい。

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