日本エネルギー会議

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許せない新総理の発言

本日、菅総理大臣は福島第一原発の廃炉現場を視察、その後、双葉未来学園を訪問した。テレビ画面では廃炉視察中、何故か全員がマスク非着用だった。視察終了後、本県選出の元法務大臣などを従えて屋外で記者会見をしたが、新政権の方針から東日本大震災・原発事故からの復興を落としたミスの早期挽回を図るためにか、会見冒頭、地方視察の第一番に福島県に来たことを強調した。

次いで、決まり文句の「福島の復興なくして日本の再生なし」と述べた後、「現在、避難指示となっている区域はいくら時間がかかってもすべて解除して住民が戻れるようにする」と発言した。安倍元総理も歴代復興大臣も同じ発言を繰り返していたが、避難している帰還希望の住民からすれば「いくら時間がかかっても」は許せない。こちらはすでに10年も待っているのだ。ついでに言わせてもらうと、いままで避難指示が出ていない郡山市や福島市の除染に力を入れて予算を使い果たしてきた。一番放射線量の高い帰還困難区域は常に後回しにされてきた。それどころか除染で出た放射性廃棄物を一番たくさん仮置きしてきたのだ。復興期間の最後の今年になってようやく帰還困難区域の数パーセントを特定区域として除染を始めたに過ぎない。政治家の「いくら時間がかかっても」や「最後の一人まで」ほど信用出来ないものはない。

帰還を希望する住民のほとんどが高齢者。私自身も事故当時は65歳だったがいまや後期高齢者だ。あと何年車の運転が出来るかわからず、車が運転できなければ帰還しての生活は困難だ。北朝鮮に拉致された被害者と同じで、本人も家族ももう時間がないのだ。安倍元総理は退任会見で「解決できなかったことは断腸の思い」と言ったが、これほど空虚な発言もない。安倍政権の心無い発言通りではなく、菅総理は現時点で当事者たちがどういう気持ちなのかを知って発言するべきだ。

会見に立ち会ったメディアからも、「いくら時間がかかっても」はおかしいのではとの指摘はなく、たぶん明日の朝刊でも総理発言をそのまま載せてしまうのだろう。

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