日本エネルギー会議

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想像力が試される問題

下のグラフは20年前からの福島県の人口推移を表している。特徴としては東日本大震災・原発事故の翌年に20%を超す人口減少があり、その後はまた、以前の減少カーブに戻っていることだ。人数としては10年で10%、20年で20%減っている。後半はカーブが少しきつくなっているのが気にかかる。出産出来る年齢の女性が減り出すと人口は急激に減っていく。毎年の減少の80%は出産、死亡の自然増減、残りの20%は東京などへの移住による社会的増減だ。

国の少子化対策もわずかばかりの子ども手当や不妊治療費の無料化などでとどまっており、これで人口減少が止るかと疑問だらけだが、福島県や市町村の対策もありきたりで危機感が感じられるものではない。
人口が減れば人口密度が少なくなり、北欧やオセアニアのように広々と国土が使えるので良いと考える人がいるが、人口は多すぎても大変、少ないのも大変だ。特に人口が急速に減っていく場合、また人口構成が変化して高齢者が増えていくと税負担を増やすか地域の医療や福祉などの水準を落とさざるを得なくなり、さらに住民が去っていくことになる。

人口を増やすには、①出生数を増やすか、②死亡数を減らすか、③社会的増減でプラスにするかしか方法がない。①②は対応を思いつきやすいが、③はやや複雑だ。住みやすいところ、なんらかの魅力があるところである必要がある。よい仕事があることも条件になるが、最近ではテレワークなど出来るのでこの条件は将来緩和されるかもしれない。住みやすいところ、魅力のあるところにするのは、その時々の流行があるのと人によって好むものが違うので難しい。 

原発事故の風評被害が10年たってもまだ続いているが、気にする人は最初から福島県に来ようとは思わない。今世紀末には廃炉は終わっていると思いたいが、今のように人口が1年で1%減るペースだと、そのころ福島県には日本人がほとんどいなくなってしまう。

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