日本エネルギー会議

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福島第一原発の事故とは何だったのか(4)

福島第一原発の事故が起きた瞬間にかつてない大きな影響を受けたのが全国の電力需給だった。東京電力管内では福島第一原発、第二原発からの送電が完全に停止。他電力からの緊急融通、大口契約者への停電要請などによりかろうじて大規模な停電を免れた。他の電力会社においても中部電力が政府の要請で浜岡原発の停止をせざるを得なくなり、会長が天然ガスの調達のために急遽供給国に飛ぶという離れ業を見せた。

全国の原発はあおりを受けてこれといった法律の根拠もないまますべて停止。新たな規制基準に適合することを求められた原発が再稼働するまでの間、全国の電力供給は火力発電と水力発電と節電で支えられた。原発反対派からは「これで原発なしでも電力供給は問題がないことが判明した」と言われたが、内情は綱渡りの連続だった。この関連で問題になったのが地域間の電力系統の弱さであり、東西の50、60ヘルツの変換容量が少ないことも弱点として再認識された。

事故の前から経済産業省によって電力自由化が進められていたが、複数の原発があるサイトが被災した場合の大きな電源喪失が改めて課題として浮かんだ。また、過酷事故が起きた際の電力会社間の支援体制は一応あったものの、機材の支援や人員の派遣についての事前取り決めが不十分だったことも判明した。

こうした課題が事故後、関係者によって解決策の検討がされ多くが実施され、電力供給の安定性、過酷事故時の対応が充実したことは言うまでもない。このように福島第一原発の事故は我が国の電力供給体制について全国的なネットワークの問題を明らかにし、その改善のきっかけとなった事故であった。

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