日本エネルギー会議

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正確な将来予測による計画作成

3年ごとのエネルギー基本計画の見直しが始まった。気になるのは見直しの議論に使うデータにいつの時点のものを使うかだ。現行の基本計画において2030年の各電源の比率は、再生可能エネルギー22~24パーセントとなっているがすでに今年1~6月において23パーセントを達成してしまっている。また、原発は20~22パーセントであるが、これは新増設がなければ到底達成できないと誰もが指摘するところとなっている。

何故、前回定めた電源比率が大幅に狂ったかといえば、検討の際に使用したデータが適切ではなかったのだ。これだけ技術進歩が早い時代に以前のデータをそのまま使っているため再生可能エネルギーの拡大の予測が当たらなかった。また、発電コストも原発が10円/Kwhでどの電源より安いとなっていた。

いまどき原発が一番安いと思っている専門家はいない。これがたった3年前の話である。委員会で「政府の望む結論ありき」の議論をしていたから不適切なデータを基にした結論を出したのだろう。
ここ10年で太陽光発電が82%、風力発電が39%も発電コストを下げ、大半の国で太陽光発電が火力発電より安くなっている。この十年間に世界で最も多く建設された電源は再生可能エネルギーだ。このすさまじいコスト低下と拡大をトレンドとして捉えて、2030年には電源比率はどうなるべきかを導き出さねばならない。再生可能エネルギーを主力電源としただけではだめで、どの程度競争力を持ち、日本ではどの程度実現可能かについて正しい予測のもとに議論をする必要がある。特にポテンシャルの大きい洋上風力発電の開発は今後盛んになると考えられ、送電網の充実ともに、これが実現すると再生可能エネルギーの主力電源化は一気に進む可能性がある。また、火力発電も生き残りをかけて水素燃焼や二酸化炭素の取り出しや貯留に挑戦しているので、これも考慮するべきだ。

原発については発電コスト予測も大切であるが、さらに地元の了解というハードルがあってそこで前に進まなくなることや追加の安全対策が必要になるなど新たな阻害要因が発生する可能性を考慮しなければならず楽観は禁物だ。新たな原発建設ともなれば、2030年を完成のターゲットに出来るのは敦賀3、4号機、東通などわずかしかない。

需要の予測も傾向としては今まで以上に人口減少や省エネが効いてくると思われる。電気自動車の普及による需要増も考慮しなくてはならないが、自給自足の拡大も見ておく必要がある。今度のエネルギー基本計画をこれから10年~30年先の状況を出来るだけ正確に予測し、意欲的かつ説得力を持つものにしなくてはならない。

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