日本エネルギー会議

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対話と安全

現役を退いてからは家にいることが多くなり、国会中継が始まると一日中テレビを見るようになった。驚いたのは国会における政府と野党のやり取りだ。この7年ばかり野党のモリカケ桜の追求に対して、安倍総理のごはん論法、肩透かし、聞かれていないことを延々と語っての時間つぶしなどにいつも野党がイライラしていた。野党が証人喚問要求しても議長の「後日理事会で協議」で政府に逃げられる。野党は理屈で勝っても数の多さにはかなわず歯ぎしりをするだけだ。メディアの世論調査で安倍内閣不支持の理由の一番は常に「人柄が信頼出来ない」であっても、「他の内閣よりまし」というおかしな理由で一定の支持を取っていた。

安倍氏の突然の降板で官房長官だった菅氏が新総理になり、初めての国会が行われたが、官房長官時代の記者会見と同じで安倍総理の時よりさらに対話にならない。日本学術会議の会員任命問題に関する野党議員の質問に対して「問題はない」「既に答えている」「回答は差し控えさせて頂く」「その指摘は当たらない」「丁寧に説明している」を連発。新聞はその回数を数えるようになった。安倍前総理は日本語破壊者であったが、菅総理は言語能力が見劣りするため日本語破壊は出来ずに対話拒否方式を採用している。安倍氏と菅氏の違いは明らかだ。

約90年前に起きた五・一五事件で、時の犬養総理大臣が「話せばわかる」と言ったのに対して青年将校は「問答無用」と応じて総理大臣を殺害した。この事件以降、議会制民主主義が崩壊し軍部が急速に力をつけ大日本帝国は軍部独裁国家になり壊滅した。菅総理の対話拒否を許していると国会は政権をチェックする役割を果たせず、国は必ずおかしな方向に行く。そうなると最大の犠牲者になるのは菅氏を支持する率が高いとされている若い世代だ。

ここまで国会の政府と野党のやり取りについて書いたが、原子力に関してもこれに似たようなことが行われてきた感がある。国と電力会社の関係、推進側と反対派との関係、契約における甲である電力会社と乙である受注者の関係、元請けと多層構造の下請との関係、会社側と組合側との関係、国や電力会社と地元自治体との関係においてファクトに基づいてまともな議論や話し合いをしてこなかったことが数多くあったような気がする。

「問答無用」ではなく対話をするのは何故か。それは互が意見を戦わせ、どちらに合理性があるかを競うことで新たなアイデアが生まれ、将来致命傷となる問題点が発見され、計画が修正され、規制が強化され、対応策が準備されることが期待出来るからだ。対話が行われなければ、トータルの力が出ず、見落としが生じ、慎重さに欠ける行動を取ることになる。それは安全にとって脅威であり、最終的には原子力を破綻させることになる。機会があれば、何故まともな対話をしないようになるのかについて書いてみたい。

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