日本エネルギー会議

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大陸と島国

再生可能エネルギーの拡大に際してよく指摘されるのがヨーロッパ大陸と日本のような島国の違いだ。ヨーロッパが出力不安定な再生可能エネルギーをどんどん増やすことが出来るのは、大陸に送電網が張り巡らされており各国が互いに電力の過不足を補いあうからだ。これに対して島国である日本は他の国から電力の供給を受けることが出来ないので、出力不安定な再生可能エネルギーの導入には限界があるということが言われている。
だが、日本列島全体を大陸と見立てればそうではない。日本列島は南北に3千キロメートル。東西も同じく3千キロメートルある。自転車で日本一周はヨーロッパ半周くらいの距離がある。気象条件は北海道と九州ではドイツとスペインほどの違いがある。発電所のある場所も全国に分散されている。

太陽光発電であれば、全国がいつも同じ日照ではない。大相撲の九州場所の中継で打ち出し時にカメラが福岡の体育館の外を写すと、東京より東ではとっぷりと日が暮れていても体育館から見る玄界灘はしっかり明るい。逆に東京がこれから夜明けで電力需要が立ち上がる頃、北海道ではすっかり日が昇っている。日本列島に東西南北の連係線があれば、日本国中で電力の融通は十分にできそうだ。

風力発電にしても北海道、東北、房総沖、九州に風力発電に適した強風域が分散している。そもそも大消費地である首都圏の電力は、遠く離れた福島、新潟、千葉、茨城の原発や火力発電に多くを依存していた。これも地域を超えた供給体制であり、どこかが定期検査で停止したり、故障で突然停止したりしても、東京、茨城、千葉の火力発電所も含み総合的な運用をしてきたのだ。

今日、ヨーロッパでは互の電力融通をさらに出来るようにと遠距離の地下ケーブル、あるいは海底ケーブルの増設が盛んである。東南アジアでも何千キロメートルもの海底ケーブルを敷設して、国家間の電力融通を可能にしてより安価な再生可能エネルギーを利用しようとする計画がある。この長距離電力ケーブルの製造や敷設工事の分野で日本のメーカーはトップクラスである。

これから北海道、東北の洋上風力発電開発が大きく進もうとしている。当然海底ケーブルで陸地まで送電するが、この際、直接首都圏まで海底ケーブルで直流送電することも出来る。送電距離は可能な範囲であり、心配される送電ロスは5パーセント程度だ。陸上の送電線のような難しい用地交渉も不要で、工事費も安い。以前から提案しているように日本列島をぐるりと取り巻く海底電力ケーブルを敷設してしまえば地方の再生可能エネルギーのポテンシャルを一番の大消費地に活かすことが出来る。再生可能エネルギーは純国産エネルギーであり、エネルギー安全保障の点からしてもこれほど心強いものはないだろう。これを洋上風力の開発に合わせて10年計画で逐次実施していくべきだ。

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