日本エネルギー会議

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もっと揚水式水力発電のこと

再生可能エネルギーの主力である太陽光発電や風力発電は自然相手で需要に合わせて発電することが出来ない。太陽が沈んだあとに夕方の需要が増えてくるが、太陽光発電は発電出来ない。雨天が何日も続いたり、風のない日が続いたりすれば火力発電にカバーしてもらわねばならない。対策としては蓄電池や揚水式水力に電力を貯める方法が採用されているが、蓄電池は容量的に小さく、日をまたぐ蓄電には揚水式水力発電が適している。

揚水式水力発電は水力発電の一種で原理は単純。水力発電所のダムの上部あるいは下部にもう一つ貯水出来る池をつくって、需要がない場合に余った電力でポンプを回して水を下から上に揚げておき、電力が不足した時にその水を落として水車を回して発電する。ボンブで水を上に揚げるのに電力を使うので元の電力の30パーセントが失われてしまう。

我が国には約40箇所の揚水式水力発電所があり、技術的には完成している。所有するのはほとんど大手電力会社であり、もともとは大出力の原発を需要の少ない夜間に停止させないよう電力を一時貯蔵するために造られたものだ。最近では、原発が停止していることもあり、もっぱら太陽光発電の出力不安定さをカバーするために使われている

全国での需要蓄電容量は130GWh(26GWh×5時間)であるが将来的には不足する。また現行の設備利用率は3パーセントに過ぎず、欧米の10パーセントに比べるとあまり使われていない。国立研究開発法人科学技術振興機構の低炭素社会戦略センターによれば、現在の多目的ダムを改造することで、将来的にはまだ全国で2000箇所の揚水式水力発電所の建設が可能であり、蓄電容量としては最大1000GWhの容量が期待できる。発電コストは23円/kWhで蓄電池の1.4倍であるが改善の余地はある。

増設にはダム湖の周辺の山に上池を新たに設け、そこにダム湖から水を揚げておいて、必要に応じて下のダム湖に水を落として発電出来るように管路と発電設備を造ればよい。小さな上池を数多く造ることで、需給の調整がやりやすくなる。建設費は高いが蓄電容量は大きく、耐用年数は40年と長い。多くの地点で既設の送電線を利用出来ることも有利な点だ。上記のセンターでは増設について具体的な検討もなされている。我が国の地理的条件に合った蓄電方法として揚水式水力発電についてもっと多くの人に知ってもらう必要がある。

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