日本エネルギー会議

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容量市場のあるべき姿

経済産業省が打ち出した容量市場は入札価格が海外の倍以上で上限に張り付くなど極めて問題が多い。既に大きな発電設備を保有している電力会社は確保料を支払っても、そのまま自社グループに返ってくるが、発電設備を持たない電力小売事業者は確保料をそのまま販売電力料金に転嫁せざるを得ないため市場での競争力を失い市場から撤退せざるを得ない。容量市場は電力自由化に対するあからさまなブレーキだとの批判の声が上がり、経済産業省も見直しをせざるを得ないようだ。

この市場では事業者が4年後の電力供給量を入札するが、そもそも4年後では将来の電源確保にはほとんど意味がない。一般的に電源を新増設するのに10年は見なくてはいけないからだ。4年後の発電量を保証するためには既に発電所が運転中か完成間近でなくてはならない。再生可能エネルギーの場合ですら、その時点で着工していなければ4年後の発電を約束することはリスキーだ。まして火力発電や原発では完成間近なものでなくてはならず、将来の供給量を確保するための電源の建設を促すためにはならない。

では、10年以上先の電源を確保するためにはどのようなやり方が適当なのか。一つの案として、発電所の着工にあたって完成後の一定期間、売電価格を保証してやるやり方がある。もしも完成時に発電コストがその時点での平均的な発電コストより高くなってしまった場合は、その差額を補填してやることにすれば、事業者は運転開始後の電力販売が確実になり、発電所の新設工事を開始しやすくなる。差額補填のための資金は電力小売事業者に負担させることでよいだろう。もし、完成時にその時点の平均的な価格で発電出来るのであれば、差額の負担はないので電力小売事業者の負担は最小限で済む。

この他、この先数十年間電力需要がどうなるのか、火力発電所の二酸化炭素排出の問題でCCS、CCU(二酸化炭素除去、貯留、活用)がうまく行くか、再生可能エネルギーが電力貯蔵技術の進歩によりこのまま拡大することが出来るかなど多くの問題に見通しをつけなくては容量市場の設計は難しい。

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