日本エネルギー会議

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3兆円で済んでいるのか

原発を止めて火力発電で代替したことで、電力会社は年間3兆円もの燃料調達費が増加し、電気利用金は値上がりが避けられず、何年か後には日本の経常収支が赤字になると報じられている。
大飯原発の2基、廃炉を決めた浜岡1、2号機、事故を起こした福島第一原発の4基を除いて、現在日本では46基の原発が停止しているが、各電力会社では、本社の原子力部門、現場の運転保守体制は昨年の3月11日以前と同様の体制が維持されている。燃料費ばかりが取り上げられるが、実際には電力会社は毎日大変な損失を出し続けており、これは結局消費者の負担につながっている。
運転中の原発では、1基あたり電力会社の社員が300人、常駐の協力会社などの職員が同じく300人、計600人が雇用されている。また、10社の本店原子力部門に、300人づつが配置されているとすると、全国で約34000人が停止中の原発にとどまって働いている。
問題は人件費だけではない。ほとんどの原発が停止していることで、どの程度の財政的負担が電力会社に発生しているのだろうか。電力会社は火力、水力、送配電があり原発に関する費用が読みにくいが、原子力専業の卸売り電力である日本原電の財務諸表が参考になる。
平成22年度、日本原電の3基の原発は年間を通じて稼働している。1700億円の収入はほとんどが発電した電力によるものだが、支出はこれにほぼバランスしている。支出のうち東海原発の廃炉の費用は160億円。これを除く人件費180億円、燃料費110億円、使用済燃料再処理費など150億円、修繕費300億円、減価償却費270億円、その他500億円で、トータルで約1500億円となる。止まっているので、燃料費110億円はかからないとしても、これを3基で割ると、1基当たり年間470億円の支出になっている。
現在では、年間1基500億円の収入源となっていた原発が停止して収入が失われたのに、あいかわらず年間1基470億円の支出が出続けていることになる。(実際には日本原電は売電契約で基本料金は得ている)全国で46基の原発がこのような状態となっており、1円の電力も生み出さないのに、年間2兆円以上もの金が、いつになるかわからない再稼働を待つために使われていることになる。

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