日本エネルギー会議

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なんとかなるは、なんともならない

石油で読み解く「完敗の太平洋戦争」(朝日新書)を読んだことがおありだろうか。戦争遂行に欠かせない石油の国内生産もほとんどなく、備蓄さえ十分でなく、だから南方で石油資源を確保しつつ戦うのだと、無謀にもアメリカやイギリスを相手に戦争を始めてしまった日本軍。結局なんともならならず惨敗することを数量化して描いた本だ。
その敗戦から20年後、アメリカやイギリスから導入した原発を完成。使用済燃料や高レベル放射性廃棄物の処理、処分はそのうちなんとかなるとタカを喰った。それから40年がたち50以上もの原発が運転するようになったが、なんとかなると思ったバックエンドは、なんともならない。福島第一原発の事故が起きなくても、燃料プールが満杯でにっちもさっちも行かなくなる寸前だった。
大事故に驚いた国論をバックに政府は、脱原発に大きく舵を切り、再生可能エネルギーをその代わりに据えると言い出した。原発ゼロ向かってこれからの20年間はエネルギー安全保障において、まさに薄氷を踏む思いだ。「なんとかなるは、なんともならない」という教訓は三度繰り返されようとしている。
数字に裏付けられた想定を基に、不測の事態にはどのように対処するかを検討し、備えをしておく。うまくいかない場合にはどの時点で撤退するかを予め考えておく。誰が責任を取るかも決めておくべきだ。熱しやすく冷めやすい国民性だから、などと他人ごとのように言わずに、成熟した国を目指す必要がある。

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