日本エネルギー会議

  • 設立趣旨
  • お問合せ

国民の不安

3.11以降、原子力に関する国民の不安な気持は、どうしようのないものとなっている。
福島第一原発の事故対応において、東電の記録を見ると、「15:42 原子力災害対策特別措置法第10 条第1 項の規定に基づく特定事象(全交流電源喪失)が発生したと判断,官庁等に通報」のような記述が数多く出てくる。
あの緊急時においても事業者たる東電は、法律に基づく報告などをしておかなければ後で、違反を追求されると
自覚していることがうかがえる。
事故対応そのものは、官邸がやっているのか、現地の対策本部がやってるのか、原子力安全委員会が
やっているのか、法律に照らしてどこがどのような責任と権限のもとにやっているのか、
国民にはわからないままに進められた。
事故発生直後から閣僚や官邸スタッフは関係法令を取り寄せて、内容を勉強しはじめていたようだから、
一応は法律に則り行動をしなくてはいけないと考えていたようだ。
事故が拡大するにしたがって、法律に書いてないことが次々に発生したために、緊急時の措置ということで
法律に基づかないさまざまな指示が飛び交った。
 原子炉冷却が一段落した時点でも、経産大臣が突然に浜岡原発の停止を中部電力に指示するなど、
超法規的な措置が続いた。全国の原発は定期検査が終了しているにもかかわらず経産省も電力会社も
それを動かそうともせず、原子力安全・保安院も審査や検査をストップした。その法的な根拠がはっきりしない。  
かと思えば、野田総理は「政府の責任で」の一言で、大飯原発の再稼働を政治判断で許可した。
3.11以降の経過が、その場しのぎの連続だったことが、国民の不安の元となっている。
今回、国会の承認を経ず、総理大臣の任命という方法をとったにせよ、先に成立した法律に基づいて
原子力規制委員会が発足し、安全基準の見直しなどに取り掛かった。これで、ようやく法律に則り、
地に足がついた形で、国民の不安解消に向かい始めたことは、誠に喜ばしい。
現在、誰が全国の原発再稼働を判断するかについて、政府と原子力規制委員会が互いに譲り合うという
信じられないことが起きているが、原発再稼働をするのなら、どのようなプロセスによるのか、法律をきちんと
整備してからやらなければ、国民の不安は解消されることはない。

  • データベース室
  • エネルギーとは?
  • 世界と日本のエネルギー
  • 原子力の論点
  • 放射線と健康
Facebook Twitter